マラソンとヨットで地球を1周する「アースマラソン」を完走したタレント、間寛平(64)が10日、70歳で世界マスターズ陸上競技選手権大会の10種競技に出場すべく、練習に専念できる環境を求め、岐阜県多治見市に移住計画を立てていることを明かした。マスターズ挑戦は本気のようだがなぜ、縁もゆかりもない多治見なのか?

 鉄人タレントの新たな野心に謎が深まっている。

 高知生まれの大阪育ちで、兵庫に住み、東京と大阪を中心に働く寛平が、突然「今、多治見で家探してんねん」。大阪市内で開かれた、難病の子供を応援するチャリティー「第4回WCSウオーキング大会」のイベントに出席後、仰天プランを明かした。

 「5年後、70歳でマスターズに出たいねん。多治見に、ええ競技場を見つけたんや。近くに家賃1万5000円ぐらい、2間ほどのアパート借りよう思うて」

 しかし、なぜ、多治見なのか?

 「周りは山ばかりで『あ、あそこにスナックあんな』とか迷えへんから練習に専念できるんや」

 寛平は50代のころから、マスターズ陸上競技会へ興味を持った。「70歳になっても、真剣勝負してたら格好ええ」。世界一過酷なレース「スパルタスロン」も3度完走、フルマラソンにも多く挑戦した。

 08~11年にかけて完走した地球1周「アースマラソン」途中に患った前立腺がんも乗り越え、その後はマスターズの10種競技に向け砲丸投げを集中的に練習。だが場所の確保が難しく、記録は最高8メートル半どまり。そこで「移住計画」となった。再来年の移住を目指す。明石家さんまら芸人仲間には「言うたら『アホか!』と怒られる」と極秘で計画を進行中だが、今明かしてしまっては…。仕事にも岐阜から通うつもりだ。

 突拍子もない話だが、95年に「24時間テレビ」で、神戸-東京間の600キロを7日で完走して「24時間マラソン」のきっかけを作り、アースマラソンも実現させた。不可能を可能にしてきた“鉄人芸人”でもある。「5年後、見といてみ!

 めっちゃ、笑わしたんで!

 感動させる?

 ちゃう、ちゃう、笑わせたる」と不敵な笑みを浮かべていた。【村上久美子】

 ◆世界マスターズ陸上競技選手権大会

 世界マスターズ陸上競技協会が主催する、35歳以上が対象の陸上競技大会。1975年カナダ・トロントで第1回大会が開催され、以降隔年で開催される。15年にフランス・リヨン、16年(オーストラリア・パース)以降は偶数年になる。13年10月のブラジル大会では、武井壮が200メートルで銅メダルを獲得している。

 ◆岐阜県多治見市

 1940年(昭15)に誕生した人口11万4550人(5月1日現在)の地方都市。美濃焼で有名。06年に気温37度以上の日数が最多だったことで「日本一暑い町」を標榜(ひょうぼう)。07年8月16日に気温40・9度で埼玉県熊谷市とともに、観測史上最高気温を74年ぶりに更新。13年8月12日に高知県四万十市で気温41・0度が計測されるまで「日本記録」を保持していた。<間寛平と主な競技>▼マラソン

 246キロを3日間で走るスパルタスロン(ギリシャのアテネ-スパルタ間)に8回挑戦(完走3回)。その練習のため91年に東京-富士山頂間の約130キロを走破。東京-大阪間約550キロを3回走った。日本テレビ系「24時間テレビ」では92年に153キロ、93年に200キロ、95年は神戸-東京間を1週間かけて600キロを走った。

 ▼アースマラソン

 08年12月に大阪・なんばグランド花月をスタートし、11年1月にゴール。約4万1000キロを走った。

 ▼10種競技

 06年から「24時間テレビ」で複数回、日本記録に挑む企画で挑戦。13年には砲丸投げなどで自己記録を更新。