【イスタンブール(トルコ)11日(日本時間12日)=小林千穂】ファッションデザイナー山本寛斎氏(70)が、日本人で初めて、イスタンブール市でショーを行った。2020年五輪開催地を東京と争い、落選した同市へのエールだったが、ショーを終えると、日本での新たなショー開催を想起。元AKB48の前田敦子(23)大島優子(25)へもラブコールを送った。

 ボスポラス海峡を望む会場に、約500人の観客が集まった。「ハロー

 イスタンブール!!」と題したショーでは、服の素材、音楽、出演モデルなど、トルコと日本が融合したものになった。東日本大震災の被災地からの学生も参加し、最後は会場に大漁旗が登場。祭りばやしに乗ってトルコ人がダンスして盛り上がった。寛斎氏は「テシェッキュルエデリム!!」と、トルコ語のありがとうを何度も繰り返し、「生きている限り、交流のための時間をつくりたい」と感極まった。

 イスタンブールは20年五輪開催をめぐって、最後まで東京と争った。昨年企画が立ち上がった際は、落選に沈むトルコを元気付けようという思いだったが、「友人もできた。平和の使者になったつもり」と五輪を超越した思いを語った。

 この成功を受け、日本開催への意欲も湧いてきた。「日本もイスタンブールのように世界遺産が多い。富士山もそう。世界遺産でやるとまったく新しいショーになる」。AKB48元メンバーとコラボするアイデアも出た。前田、大島は所属事務所太田プロの後輩でもあり、「いつも出演者を探すのに苦労してるんです。(同事務所に)AKB48の優秀な卒業組がいるんだから、一緒にやりたい」と、ラブコールを送った。

 スポーツ界の若い才能からも刺激を受けている。テニス世界ランキング6位の錦織圭について「笑顔がすごくいいし、英語もうまい。僕より上だなあ」と褒め、自身も週2回、英会話教室に通っていることを明かした。「年齢を重ねても、免疫ができて苦しみが減るわけじゃない。今回もタフな挑戦だった。未開発の体力、実力を見つけて、あと10年はこのペースでいきたい。やりたいことはいっぱいある」と話し、「10年後には英語も相当うまくなってるだろうね」と笑った。