リオデジャネイロ五輪バドミントン女子ダブルスで高橋礼華(26)松友美佐紀(24=ともに日本ユニシス)の「タカマツ」ペアが金メダルを獲得した。19日未明、松友の地元徳島・藍住町で行われたパブリックビューイング(PV)に約450人が集結。人口約3万5000人の町が喜びに沸いた。

 松友の地元、徳島県藍住町の町民体育館でもPVが行われ、約450人が金色のスティックバルーンをたたきながら応援した。金メダルが決まった直後、大歓声を上げて喜びを分かち合った。祖母の日高春子さん(74)は「はらはらした。帰ってきたら頑張ったなと声を掛けたい」と涙を流し、祖父の直見さん(82)は「胸がいっぱいで何も言えない」と絶句。2人は、用意された金色のくす玉を割って勝利を祝った。

 人口約3万5000人の藍住町では、出身者の五輪出場は初めて。金メダル獲得の快挙を受け、37年ぶり3人目の名誉町民の称号を松友に贈る方向で検討を始めた。過去2人は会社経営者と元町長で、スポーツ選手は初めて。副賞として地元の名産品を添える予定だが、「藍住町歴史館・藍の館」によると、金メダルを入れる袋を藍染めにして、松友に贈るプランがあるという。

 藍住町は、人口約26万人の徳島市に隣接し、ベッドタウンとして発展。若い世代が多く、人口は増えている。松友の偉業が、観光客の呼び水になりそうだ。藍染め体験ができる同館の関係者は「帰国して落ち着いたら、松友さんも藍染めに来てほしい」と訴えた。

 ◆徳島県板野郡藍住町(あいずみちょう)

 県北東部、吉野川下流の三角州に位置する町。1955年(昭30)に藍園村と住吉村が合併して発足。特産品は藍染め製品、洋ニンジン、レンコンなど。食品工場や機械工場なども進出。面積16・27平方キロ。先月末現在の人口は3万4920人。石川智能(ともよし)町長。