Jリーガー全員が大きな刺激を受けたはずだ。初選出が5人で、所属クラブでレギュラーではない選手も何人か含まれている。これはアギーレ監督が、Jリーグをよく研究した上で、自分の戦術に必要なコマを選んだことを意味する。ザック体制では、レギュラー11人がほとんど変わらなかったし、選ばれる23人も、大枠の50人の中から、というイメージがあった。しかし新体制では、大枠がもっと広がった、と感じた。

 このメンバーで最も注目する選手はMF柴崎だ。個人的には「ポスト遠藤」として期待している。技術の高さや視野の広さに加え、負けん気も強い。いろんなアイデアも持っていて、引き出しも多い。青森山田高卒業時には体がすごく細かったけれど、自分からレベルアップを意識して、トレーナーをつけて筋トレを続け、体を太くしてきた。その向上心を高く評価したいし、体が強くなった最近は力のあるミドルシュートも打てるようになった。

 新戦力ではMF森岡とFW武藤がおもしろい。森岡は技術はもちろん、運動量とアイデアがある。メンタルも強く、ハードワークできる選手だ。武藤は常にアグレッシブにゴールを狙うし、ボールのないところでのポジショニングや動きの質もいい。攻守の切り替えが速く、ボールを取られてもすぐに守備につくことができる選手だ。

 もちろん、この日呼ばれた選手全員が4年後まで残る保証はない。いくつものテストが待っていて、生き残る選手と呼ばれない選手が出てくるはず。当然、今回呼ばれていない選手にもチャンスはある。間違いなく、今後のJリーグはもっと活性化して、代表のレベルも上がっていくだろうし、そこにも期待したい。(日刊スポーツ評論家)