アトレチコ・マドリードが欧州チャンピオンズリーグ(CL)の準決勝で敗退したことに対し、公の場では沈黙しているものの、内部的には大きな怒りを感じているとスペイン紙アス電子版が6日に報じた。
Aマドリードは5日にアウェーで行われた欧州CLの準決勝第2戦でアーセナルに0−1で敗れ、2試合合計1−2で敗退の憂き目に遭ったが、同紙によると、Aマドリードはこの試合に関するさまざまなことに腹が立っているとのことだ。
英タブロイド紙は試合前日、Aマドリードとシメオネ監督に対し、不正行為を疑い、執拗(しつよう)に攻撃を仕掛けたという。アーセナルは第1戦でエスタディオ・メトロポリターノの芝の長さをUEFA(欧州サッカー連盟)に抗議したが、測定の結果、完全に規定通りだった。
さらに、アーセナルサポーターは試合前夜、Aマドリードが休息を取れないように花火を打ち上げ、試合当日のスタジアム入りの際は直前まで警備がなく、ゲート前で渋滞に巻き込まれたとのことだ。
また同紙は、Aマドリードがこの試合の審判団と相性が悪かったことを指摘。主審を務めたダニエル・ジーベルト氏がこの前までに担当した3試合はすべてイングランドのチームとの対戦だったが、1度も勝ったことがなかった(1分け2敗)。一方、アーセナルはこの主審が笛を吹いた3試合、全てに勝っていた。
さらに、VARのバスティアン・ダンケルト氏はAマドリードにとって天敵とも言える人物だった。ダンケルト氏が担当した7試合のうち勝利はわずか1試合のみ(2分け4敗)。それは1−0で勝利した昨季の欧州CL・決勝トーナメント1回戦第2戦だった。しかし、この試合は2試合合計2−2でPK戦に突入。2番手のフリアン・パルバレスがシュートを成功させるも、VAR確認後にダブルタッチで失敗と判定され、最終的に敗退し、大いに不満の残る結果になっていた。
そして今回のアーセナル戦の判定は再び、Aマドリードの批判の的になっている。その理由は与えられるべき3つのPKが認められなかったためである。第1戦でアーセナル陣営は、PK取り消しなどにより、Aマドリードびいきの判定と不満を述べていたが、第2戦後、アルテタ監督は「主審はとても良かったと思う。問題は何もなかった」とコメントしていた。
物議を醸した最初の判定は、前半にジュリアーノ・シメオネがスペースへ走り込んだシーンだった。カラフィオーリを抜いてゴールに向かい、追いつかれた際にペナルティーエリア内で過度な力で押されて倒された。最終的にオフサイドの判定となったが、リプレーで確認されなかった。さらに、ジュリアーノ・シメオネ自身が試合後、その場面の写真を添えてSNSに投稿した内容によると、自陣から走り込んでいたため、オフサイドではなかったようだ。
二つ目は後半6分にジュリアーノ・シメオネがゴール前でGKラヤをかわし、シュートを打とうとした瞬間、ガブリエウに後ろから接触されたシーン。それ自体は軽微なものだったが、ジュリアーノ・シメオネはVARでの確認を要求し、アトレティコ側もあのスピードでのプレーで接触があったため、バランスを崩されたと感じているとのことだ。
三つ目は後半11分にグリーズマンがカラフィオーリに足を踏まれて転倒したシーン。主審はその前に起こったガブリエウに対するプビルのファウルを取っていた。この試合の判定の解説を同紙とラジオ局カデナ・セルで務めた元主審のイトゥラルデ・ゴンサレス氏は、「重要なのは事前にファウルの笛が吹かれたどうかだ。笛が吹かれていなかった場合はVAR判定となる。VARが主審に伝え、ファウルを確認することもできたはずだ。もしプビルが蹴っていたら、ガブリエウの足はずれていただろうが、プビルはファウルを避けるために足を引いていた」と誤審があった可能性を示唆した。
さらに終了間際に最後の騒動が待ち受けていた。アディショナルタイム5分のうち、ボールが消えたり、アーセナルの選手がスタンドやピッチの他の場所にボールを蹴ったりしていたため、実際のプレータイムはわずか1分程度だったとのことだ。
Aマドリードはこの大一番で起こった一連のことにより、怒りをあらわにしていると同紙は伝えている。(高橋智行通信員)

