前日本代表監督のイビチャ・オシム氏(67)が、ユース年代の日本代表監督就任へ強い意欲を示していることが、10日までに明らかになった。現在、オーストリアで昨年11月に患った脳梗塞(こうそく)の長期リハビリ合宿中だが後遺症もほぼ完治。関係者によると今月上旬には田嶋幸三専務理事に現場復帰への強い意欲を示したという。再来日が予定されている10月には来季の契約交渉を行う。

 オシム氏がユース年代の代表監督を目指していることが分かった。日本協会関係者によると、今月上旬に見舞いに訪れた田嶋専務理事に「日本でやりたいことがたくさんある」と話したという。同協会アドバイザーとしての契約は今年12月末まで。関係者は「オシム氏は若手の方をやりたがっている。具体的にはユース。若いチームを見たい、と話している」。再来日する10月には来季の契約交渉を行うことになっており、その席でユース代表監督就任を要望するものとみられる。

 6月の日本協会アドバイザー就任会見でオシム氏は「ベンチに座りたいが、ベンチで死にたくもない」と冗談めかした発言をしながら、水面下では現場復帰を画策してきた。昨年の11月に脳梗塞で倒れ代表監督の任を解かれたが、現場復帰への意欲は6月時点よりも増しているようだ。同氏がどの年齢のチームに意欲を見せているかは不明だが11年のU-20W杯、U-17W杯出場を目指して来年に立ち上がるU-18、U-15代表などの監督が有力視される。

 ただ、67歳と高齢なこともあり、日本の担当医がゴーサインを出すことが現場復帰への条件。また、健康面を第一に「指導者養成、ユース育成、日本が苦手とする海外情報の入手」を軸にオシム氏との契約延長を目指す日本協会と、現時点で望む仕事は一致していない。関係者は今後について「技術委員会が(オシム氏の要望を受け)検討するのでは」と説明した。