初招集されたMF宇佐美貴史(19=G大阪)が、「香川超え」で代表定着を目指す。6月のキリン杯に臨む日本代表が30日、新潟県内で合宿をスタート。合流していない海外組をのぞく22選手が約2時間、練習を行った。アルベルト・ザッケローニ監督(58)の守備意識に刺激を受けたという宇佐美は、タレントで婚約者の田井中蘭(19)と結婚していたことも判明。歴代3位のMF香川真司(22=ドルトムント)の19歳206日をも超える、国際Aマッチ史上最年少ゴールでアピールを狙う。

 宇佐美は終始、真剣な表情で体を動かした。初めて日本代表の一員として迎えた練習。「最初は入りづらい感じもありましたけど、みんな明るくて、優しかったです。緊張はしなかったです」。DF槙野から積極的に声をかけられ、すぐにとけ込めたという。

 ザッケローニ監督からは「ボンジョールノ(こんにちは)」と声をかけられ、日本語で「こんにちは」と返したという。各ポジションに就いての戦術練習では直接指導も受けた。「システムにこだわりを持っている。守備に対して、ものすごく細かく言ってた。頭の中でははっきり理解できたんで後は実戦でできるかどうか。実戦形式の練習を早く知りたいです」。

 今回は控えで終わるつもりはない。代表定着を目指し、試合に出て、貪欲にゴールを狙う決意だ。6月1日のペルー戦でゴールを決めれば、史上最年少となる19歳26日での国際Aマッチゴールとなる。香川が08年10月9日の親善試合UAE戦で決めた、歴代3位の記録(19歳206日)も抜く。同じ左サイドのMF香川については、以前から「A代表に入った時、ポジション争いする際に壁になる選手だと思ってます」とライバル視していた。

 かねて交際していた婚約者の田井中蘭との結婚も判明した。得点を決めれば、家族にささげる記念ゴールにもなる。「チャンスをもらえれば持ち味をどんどん出していきたい。南米勢は手ごわいけど、どんどん仕掛ければ、抜いていける自信はあります。どんどんシュートを打ってアピールしたい」と、すでにピッチに立った時のイメージはできている。「みんなすごい人なので、学ぶことも多いと思う。食事でもどんどん話して、いろいろ吸収していきたいですね」。有意義な期間にして、大きなチャンスをつかみ取る。【由本裕貴】