ボルシアMGのFW大津祐樹(21)が、U-22(22歳以下)日本代表ロンドン五輪アジア最終予選の第2戦、アウェーのバーレーン戦(11月22日)に招集される可能性が22日、急浮上した。日本協会の打診に、クラブ側の「ゴーサイン」が判明した。11月中旬にはMF清武がA代表のW杯3次予選に招集された場合、同代表の戦力ダウンは否めない。中東は欧州から近く、海外組を呼びやすい。初戦を終えて日本はC組2位。落とせない戦いで、大津の招集は大きな期待を集めそうだ。

 フットサル育ちの華麗な足さばきが、中東のピッチでみられる。大津のバーレーン戦への招集について、ボルシアMG関係者は「基本的に彼の派遣は問題ありません」と説明。協会関係者によると、すでに日本協会側に了解する旨の回答をしている。コンディションに問題がなく、関塚監督が必要な戦力とすれば、大津の招集は間違いない。

 U-22代表はA代表と違い、所属クラブに対し協会が強制的に選手を招集できる拘束力はない。所属クラブが拒否すれば断念するしかない。招集レターを出しながら、FW宇佐美のBミュンヘン、FW宮市のアーセナルに断られている。同監督はこの日「いろいろな状況を考慮し、制約ある中でどういう状況にあるかを把握したい」と話した。

 バーレーン戦はMF清武を欠く可能性がある。A代表のW杯3次予選(11月11日アウェーのタジキスタン戦、同15日アウェーの北朝鮮戦)に招集された場合、直後の五輪予選は難しい。日本協会の原強化担当技術委員長は「現実的にA代表で2試合出て、五輪は難しい」と言った。

 そうなった場合に、大津の存在が重要になってくる。ドイツから帰国することを考えれば、欧州から中東ははるかに近い。また、同代表には3月ウズベキスタン遠征から6月東京合宿まで参加。連係に問題はない。原委員長は「基本的に拘束力がないから呼ばないわけではない。レターを出し、現場の意向を加味し、必要となれば」と言った。

 21日のシリア-バーレーン戦は3-1でシリアが勝利。得失点差では+2も、総得点で日本はC組2位。各組1位に五輪出場権が与えられるため、次戦は敵地といえども、何としてでも勝ち点3が必要だ。ドイツから大津を呼ぶかどうか。指揮官の判断にかかっている。