燃える闘魂の“洗礼”をしっかりと受け止めた。アントニオ猪木が25日、大阪市内のC大阪練習場を訪れ、ロンドン五輪代表メンバー候補の清武弘嗣(22)山口蛍(21)扇原貴宏(20)と対面し、激励。おなじみの「闘魂注入ビンタ」で3選手を応援し、ロンドンへと弾みをつけた。

 プロレスに詳しいベテラン茂庭が会見に乱入してきた。五輪代表候補の3選手に「猪木さんのすごさ分かってる?

 今で言うとAKBのあっちゃんが来るよりすごいんだぞ」と、すっかり興奮気味。まず、猪木は見守っているサポーターにも呼びかけ「1・2・3、ダーッ!」の大合唱で低迷するチームに活を入れた。

 その後、茂庭が「チームがあまり良い状態でないので」と、自ら闘魂注入のビンタをお願い。すると五輪代表候補3人も恐る恐る後に続いた。歯を食いしばってビンタを受けた3選手は「イタッ!」と、大きな悲鳴をあげながらも「ありがとうございました!」と激励に感謝した。

 手荒い“洗礼”の前に清武は「五輪があるんで頑張ります」と活躍を誓った。さらに、プロレスでも数々の修羅場をくぐり抜けてきた猪木にこう問いかけた。

 清武

 プレッシャーに弱い。期待された時に、自分の力を出すにはどうしたらいいですか?

 猪木

 バカになれ。とことんバカになれ。恥をかけ。とことん恥をかけ。耐えて耐えて恥をかけば、本当の自分が見えてくる。かっこつけたい気持ちもあるだろうが、それを1回ドーンと捨ててみて。そういうときに自分の潜在的な力が出てくる。

 あの「道」の名文句「迷わず行けよ。行けば分かるさ」のような名調子で励ました。

 正式な五輪メンバー発表は来週だが、3選手は心と身体にしみこませた「闘魂」をロンドンで爆発させるつもりだ。【鈴木絢子】