<コンフェデレーションズ杯:日本3-4イタリア>◇1次リーグA組◇19日◇レシフェ・ペルナンブコアリーナ
日本代表MF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)が、批判の声を歓迎した。前半21分にPKで先制点を決めたが、チームを決勝トーナメントへ導けずに自己批判。FIFAランク8位のイタリアからゴールをマークしたものの、得点試合の不敗記録は12でストップした。「またでかいこと言えるように準備していきたい」と、周囲の声を成長の糧にする姿勢を示した。
本田の目が、潤んでいた。両軍合わせて7点の乱打戦に、屈した。試合終了と同時に、ピッチの外へ歩き出す。両手で顔を覆い、首をひねった。制止を振り切り出て行ったが、テレビインタビューのために戻ると、興奮を抑えるように言った。「残念。残念です。今は冷静に考えられない。(メキシコ戦は)頑張ります」。ピッチ上でユニホーム交換もしない。たたえ合う気なんて、毛頭なかった。そして、少し落ち着きを取り戻した取材ゾーンで、再び口を開いた。
「プレーのことは話したくない。プレーのこと話しても、説得力がない。正直、いい試合をしても意味がない。この2試合で大会が終わってしまったのは事実。まあ、オレはさんざんぱらでかいこと言ってきたし、ここで皆さんに何を書かれようが、自分がPKの1点しかないことをしっかり受け止めて、またでかいこと言えるように準備していきたい。違うステップに向けて」
口火を切る先制点を決めても、それだけでは満足はいかない。2連敗で1次リーグ敗退が決まった。トップ10の強豪国から初めて奪ったゴール。だがわき起こる感情は、PKの1点しか決めていないことへの不満、そして怒り。自らを批判し、周囲の声も甘んじて受け止める。それくらいの覚悟があったから、決めた直後も表情を崩さなかった。
前半21分。岡崎が得たビッグチャンスに、当然のように名乗り出た。左右に動くGKブフォンに目もくれず、体が浮くほど左足を振り切った。珍しくミートを外したように、ボールは回転がかかったまま右へ。左CKフラッグに向かって走りだしたが、表情は崩さなかった。そして、歓喜に浸る長友に言った。「2点目を取りにいくぞ」。
同点に追いつかれ、逆転を許しても、最前線で腕を振り回し鼓舞した。何度も香川とのパス交換でゴール前に進入。後半26分には自らドリブルで独走して右足シュートを放った。終了間際には3人に囲まれボールを奪われると、目いっぱい手をたたいて怒りをあらわに。「テストじゃないんでね」と臨んだ本田は、その力を世界へ見せつけた。
屈強なプレーの中、どこか漂う孤独感。本気で勝ちに行って、味わった敗北感。またでかいことを有言実行するために、今は受け止め糧にする。【栗田成芳】

