<国際親善試合:日本3-0グアテマラ>◇6日◇長居
日本代表のMF本田圭佑(27=CSKAモスクワ)が、後半から出場してチームを変えた。FIFAランク37位の日本は主力組4選手を先発から外し、前半は同93位のグアテマラに消化不良の展開。だが後半開始から本田が登場すると、わずか5分で2試合連続となるゴールを頭で決めて先制。FW柿谷、香川らと連係、3-0の完勝に導いた。ACミランへの今夏移籍が消滅して初めて迎えた試合だったが「死ぬわけじゃない」と精神力の強さを見せた。日本は10日にガーナ(横浜国際)と対戦する。
点を取り、チームを変え、取材エリアに現れた本田は前だけを見据えていた。2日からスタートした合宿ではほとんど無言だったが、消滅したACミランへの移籍について、はっきりとした口調で語った。「ポジティブにとらえてますけどね。今まで物事が簡単にいったことはない。自分の人生で氷山の一角だと思う。ネガティブになってもしょうがない。死ぬわけじゃない。楽観的に考えている」。時折、口元には笑みを浮かべていた。届きそうで届かなかった夢が、立ち消えになっても置かれた状況を楽しんでいるようでもあった。
ベンチで無得点の前半を見届けた。後半から登場した本田が、別のチームに変えた。5分、長友のクロスをファーサイドで待ち受け、頭で合わせた。DFの背後からかぶせるようにたたき付け、ネットを揺らした。「来たボールが良かった」と絶妙のクロスをたたえたが、ポストに近い場所でも構わず頭を突き出した。
後半からの出場は予定通り。前半は冷静に戦況を見つめた。サイドでボールを呼び込むことは少なく、センターでボールをキープしリズムを作った。「前半は相手がコンパクトに守ってきた。後半はバテて来ると思ったので、ゆるんだところを狙えて良かった。いつも通りやることを意識した」と言ったが「最後のクオリティーは問題だと思うが、過程はいい」。格下相手の快勝に厳しさを交えながら、手応えも口にした。
今夏のミラン移籍が成立せず、周囲の騒がしさは増した。1日に帰国した空港を含め、今回の合宿中はほぼ無言。昨年2月にラツィオへの移籍が破談になった時には「屁(へ)でもない」と意に介さず、今回のミラン移籍騒動も「死ぬわけじゃない」と言った。迷うことなく、常に前だけを見据える。この日の得点で鋼の精神力もあらためて証明した。真価が問われる試合で、ゴールという結果を出した。
ビッグクラブの環境で成長することを目標としていたが、年内はこれまでと変わらない環境に身を置く。「代表で集まれるのは限られる。いかに所属クラブで成長できるかがキーとなる。僕らは格下なんで、強豪に勝つためには1日1日を無駄に出来ない」と話した。さらに自らを高め、将来を変える。その先に待つ日本のW杯での躍進へ、本田が再スタートを切った。【高橋悟史】
▼本田のヘディングゴール
本田はAマッチ通算17得点目となったが、ヘッドでのゴールは岡田監督時代の10年3月3日、アジア杯予選バーレーン戦(豊田)以来2点目。このときは後半ロスタイムにDF内田の右からのクロスを、倒れ込みながら頭で決めた。通算17得点のうち、左足でのゴールが15点。右足での得点はまだない。

