2017年U-20(20歳以下)W杯韓国大会を目指し、来年立ち上げられるU-18日本代表の監督に現甲府監督の城福浩氏(53)の就任が3日、濃厚となった。城福氏は今季限りで甲府の監督を退任する。日本協会関係者によると、同協会は甲府の退任発表を受けて城福氏にオファーを出し、11月27日の技術委員会で現状が報告されていた。

 城福氏は、甲府を臨機応変な采配で2シーズン連続でJ1残留に導いた知将。U-20W杯を目指すチームは日本の「課題の世代」で、日本協会が育成年代強化のために白羽の矢を立てた形だ。

 日本はU-20W杯出場を4大会連続で逃し、20歳以下という重要な育成年代の世界大会から遠ざかっている。高卒新人がプロ入り後、出場機会を得られずに伸び悩むパターンが深刻化。今季からJ3にJリーグU-22選抜を参戦させ、若手の出場機会を増やす策が一定の成果を得たが、10月のU-19アジア選手権では8強で敗れ、U-20W杯出場権は獲得できなかった。

 城福氏は地区トレセンなどの育成年代の指導を経て、U-17日本代表を指揮。FW柿谷(バーゼル)斎藤(横浜)らを擁して、06年U-16アジア選手権で優勝。07年U-17W杯では決勝トーナメント進出を果たした。08年から3年間にわたり東京の監督を務め、09年ナビスコ杯で優勝。情熱的で、相手を分析した上で状況に応じた戦い方もできる柔軟性を併せ持つ。

 日本協会は前任者の鈴木政一氏を選任する際にも「育成年代だけでなく、Jリーグでの指導経験も豊富な人物」を条件の1つとしていた。城福氏は世代別代表を指揮して世界大会で戦っただけでなく、Jクラブの指揮経験も持つ。まさに、うってつけの人物だ。

 J1は6日に最終節を残しており、城福氏は甲府監督としての最終戦となる清水戦に向けて集中している状況。詰めの交渉や契約書へのサインは、シーズン終了後になる見込みだ。それらがまとまり次第、発表されることになる。目指すは17年U-20W杯。「城福ジャパン」が、5大会ぶり世界切符獲得へ挑む。

 ◆城福浩(じょうふく・ひろし)1961年(昭36)3月21日、徳島市生まれ。城北高、早大から川崎Fの前身の富士通に入社。28歳で現役を引退して指導者に。富士通監督、東京育成部などを経てU-17日本代表監督として07年U-17W杯出場。08年から3年間、東京を指揮し、09年ナビスコ杯優勝。12年から今季まで甲府の監督を務める。167センチ、64キロ。実兄の敬氏は仙台育英高監督。<日本代表各世代の今>

 ◆A代表

 8月にアギーレ監督が就任。U-21代表の手倉森監督がコーチとして入閣している。年内の6試合の親善試合を経て2連覇を目指す来年1月のアジア杯に臨む。

 ◆U-21日本代表

 仙台を指揮していた手倉森誠監督が指揮。16年リオデジャネイロ五輪出場を狙う。まずは来年3月の同五輪アジア1次予選突破を目指す。

 ◆U-18日本代表

 来年スタート予定。城福氏の監督就任が濃厚だ。17年U-20W杯韓国大会出場を狙う。鈴木監督体制の10月のU-19アジア選手権準々決勝で敗退したことで、日本は同W杯では4大会連続で出場権を逃している。

 ◆U-15日本代表

 17年U-17W杯インド大会出場が最終目標。コーチングスタッフを絞り込んでいる最中で、来年に始動する。