前哨戦に勝ち、開幕ダッシュにつなげる。Jリーグが13日、開幕戦と、各クラブのホーム開幕戦カードを発表し、J2札幌は2月28日開幕節で、東京Vと敵地味の素スタジアムで対戦することが決まった。今月に始まる沖縄合宿中に参戦するニューイヤーカップ(24、27、30日)でも対戦する相手だけに、まず“予行演習”でワンパンチをかまし、開幕戦4年連続勝利につなげる。また、3月13日のホーム開幕戦は札幌ドームで愛媛と対戦する。

 昇格争いのライバルを討ち、勢いをつける。開幕戦が東京Vに決まったことを受け、四方田監督は「勝てれば精神的に楽になるし、雰囲気も良くなる。42試合すべて大事だが、やっぱり開幕戦は勝ちたい」と強い口調で話した。15年戦績は相手が8位、札幌は勝ち点1差で10位。最後まで競り合った難敵に初戦で土をつけ、優位に立つ。

 本番で勝利をつかむためにも、まずは前哨戦で結果を出す。沖縄合宿中に参戦するニューイヤーカップでは、24日初戦での対戦が濃厚。始動から約1週間での実戦とあり、出場選手は12日から前倒しで練習する若手中心となるが「向こうは早くから外で動いているので主力に近い選手も出てくる。いい力試し」と意義を口にした。分析肌の指揮官としては、開幕約1カ月前の実戦で、じっくり敵情を把握。選手は、開幕スタメン奪取に向けた、貴重なアピールタイムにする。

 テスト的な実戦ながら、勝敗は軽視できない。昨季は熊本合宿中に長崎と練習試合を行い1-2で敗れた。リーグ戦でも3月15日のホーム開幕戦で、いいところなく0-1と敗れた。その点、昨季の東京V戦は10月4日、同じ味スタで、MF小野の移籍初得点などで2-0と白星を挙げておりイメージは良い。ニューイヤーカップでも嫌なイメージを植え付け、精神的アドバンテージをつかむ。

 ホーム開幕戦も難敵愛媛だが、力のある相手だからこそ勝てば波に乗れる。昨年7月26日、四方田監督就任初戦で0-1と敗れた因縁もある。シュート数19対8と圧倒的にチャンスをつくるも無得点。補強費で札幌を下回る相手ながら、終わってみれば5位に食い込みプレーオフに進出した。「昇格できなかった自分たちはチャレンジャーの気持ち。全力で臨む」。昨季の雪辱を果たし、リーグ序盤から、自信を積み重ねていく。【永野高輔】