雪国キャンプ? 仙台は25日、鹿児島・さつま町のインターナショナルゴルフリゾート京セラで第1次キャンプをスタートさせた。午前7時半に仙台を出発し、昼過ぎには鹿児島に到着。夕方からは雪が約17センチも積もったグラウンドで2時間の練習を行い、始動した。8年前、J2で優勝し昇格を果たしたときも、同地で大雪の中キャンプインしており、これは吉兆スタートになった?

 目の前に広がったキャンプ地は、ホーム仙台よりもはるかに真っ白な銀世界だった。ここは南国・鹿児島。温暖な土地で体を鍛えるはずだったが、イレブンを出迎えたのは、降りしきる雪だった。この日、赤色に新調された練習着の初披露とも重なって、いみじくも銀世界では赤の色がより映えて見えた。

 現地では24日から25日にかけて「記録的大雪」に見舞われた。だがチームにとってこの雪は、吉兆ともいえる。キャンプイン前、天候不良を知った渡辺晋監督は「行けるのかどうか」と頭を悩ませたが、宿泊施設関係者の言葉で「勇気が出た」と明かした。チームが1次キャンプ地として初めて鹿児島を訪れた8年前も、初日から雪が降った。しかし、その08年はJ2を優勝して昇格を果たした輝かしいシーズン。同関係者から今回「あの年も雪でしたが、良い結果だった。今年もワクワクしながら待っていますよ」との連絡を受け、思わずニンマリ。予定を変えることなく現地入りする運びとなった。

 まさかの大雪。それでも選手たちは雪を楽しむように笑顔で練習した。新卒ルーキーのMF佐々木匠は、半袖短パンの下に長袖着用の薄着姿だったが「尊敬する水野さんスタイルです」とにっこり。鹿児島出身のGK六反勇治は「こっちでは雪だるまも作ったことない。こんなの珍しい。仙台から仙台に移動したみたいな感じですね」と笑っていた。歴史的な異常気象を目の当たりにしても、指揮官は「いろいろな人の協力があってサッカーができている。感謝の気持ちを心に刻み、スタートできた」と、前を見つめる。Jチーム最長となる33連泊のキャンプは、大雪という波乱の幕開け。しかし、毎冬このハンデを克服したからこそ、東北唯一のJ1を守り続けている。これを糧に、さらに強いチームへの1歩とする。【成田光季】