元サッカー日本女子代表監督で、十文字学園女子大学副学長の佐々木則夫氏(58)が23日、埼玉県新座市の同大学記念ホールで、シンガー・ソングライターのカノンと「おしゃべりハーモニー」と題したトークショーを行った。

 カノンは、クラシックとポップスを融合させた「クラシカル・クロスオーバー」アーティストとして注目される女性シンガー。かつて「NHK北京五輪の競泳・陸上代表決定戦」のテーマソング「明日への鼓動」(カノン作詞・作曲)を聞いた佐々木副学長が絶賛し、2011年女子W杯ドイツ大会決勝前夜に選手一同に聞かせて鼓舞して世界一に導いたというエピソードがある。

 当時を思い出した佐々木副学長は「1次リーグで自分たちの動きができずイングランドに負けた。決勝を前に選手たちを鼓舞しモチベーションを上げようと、東日本大震災の映像とカノンさんの歌をミックスしてビデオを作りました」と話し、カノンの歌声に励まされたことに改めて感謝。一方、カノンも「後でそのことを聞いてとても光栄に思いました」と話した。

 トークはサッカーや歌、子育て、教育論まで話がおよび、2人は「信じる力こそがパワーになる」という言葉でトークを締めくくった。

 カノンのコンサート中、佐々木副学長がW杯の金メダルをカノンの首にかけるというサプライズもあり、「歌に感激して」と花束贈呈役の学生が目をぬらしながら謝意を述べるなど和やかな雰囲気で幕を閉じた。