浦和が年間勝ち点1位を決めた。最終節のホーム横浜戦は1-1で引き分けたが、勝ち点1差で2位だった川崎がG大阪に敗れたため、トップを守った。追いつかれる展開にも大崩れせず、冷静な試合運びで勝ち点1を確実につかんだ。これで勝ち点74となり、昨季の広島が記録した年間最多勝ち点記録に並んだ。チャンピオンシップ(CS、23日開幕)のシードも獲得し、10年ぶりのJ1制覇にまた1歩近づいた。
真っ赤に染まったスタジアムはざわめきに包まれた。1-1で終わり、両手を突き上げたのはFW李だけ。引き分けで自力での年間勝ち点1位はなくなった。それから約20秒。場内アナウンスで川崎Fの結果が伝えられると、スタンドは一気に沸いた。選手たちは抱き合って喜びを分かち合った。試合終了まで川崎Fの結果を知らなかったMF駒井は「本当にやばいなと思っていた」と本音を漏らした。
今季の浦和の強みが凝縮された90分だった。攻めあぐねたハーフタイム、川崎Fの2点リードを聞いた。昨季までの悪夢がよぎった。14年の第32節G大阪戦。勝てば優勝だったが、攻め急いでカウンターに遭い、0-2で敗れた。昨季のCS準決勝も、同じ失態を繰り返し、G大阪に苦杯をなめた。帰りのバスではいつも楽しげな様子をインスタグラムに投稿するDF陣の槙野や森脇らも、悔しさで口を閉ざした。翌朝の新聞を広げれば「最後は向こうが勝手に崩れて点が取れると思っていた」というG大阪の選手のコメントが目についた。
悔しさを重ね、我慢することを覚えた。後半、得点を求めるあまり、攻め急ぐ悪癖は消えていた。同点とされた残り5分も、ベンチに下がっていたFW興梠が川崎Fの試合経過をピッチの槙野に知らせた。ほぼ全員に状況が伝わり、終了間際は同点でも時間を使うボール回しに徹した。焦りを克服し、チームの目標だった年間勝ち点1位を成し遂げた。
森脇は「ルール上は通過点」と表情を引き締める。槙野も「まだ何も手にしていない」と続けた。試合後、選手たちはゴール裏のサポーターが作った優勝シャーレの人文字を見た。12月3日、今度は選手が掲げる番だ。【岡崎悠利】
▼年間勝ち点最多タイ 年間34試合制となった05年以降、今季浦和の年間勝ち点74は15年の広島と並ぶ最多タイ。チームとしては06年と15年の72を更新。
▼第2ステージ(S)無得点試合なし 優勝した第2Sは全試合で得点。ステージ優勝クラブとしては、延長戦(現在廃止)があった時代の99年第1S、02年第1S、02年第2Sに3度記録した磐田に次いで2チーム目。
▼最少失点 今季の浦和は年間34試合でリーグ最少の28失点。1試合平均0・82点は、08年大分の0・71点、11年仙台の0・74点に次いで歴代3位タイ。浦和が06年と07年に記録した28失点、0・82点に並んだ。



