サッカーU-20(20歳以下)女子W杯で3位となった同日本代表「ヤングなでしこ」のINAC神戸DF守屋都弥(みやび、20)とMF杉田妃和(ひな、19)が8日、皇后杯2連覇を誓った。

 W杯開催国パプアニューギニアから4日に帰国し、6日から全体練習に合流した。17日の皇后杯準々決勝浦和戦に向け神戸市内で汗を流し、守屋は「まだ1冠も取れていない。今年は試合に関われているので、チームに貢献して優勝したい」。W杯MVPの杉田も「W杯を一緒に戦ったメンバーがどういうプレーするかは分かっている。どうすれば嫌かも分かるので、次の試合に向けて準備したい」とINACでの戦いに切り替えた。

 チーム一押しの若手2人が、南太平洋の島国で大きな経験を得て戻ってきた。周囲の選手や首脳陣から「みやび」「ひな」と呼ばれる同学年コンビは、松田監督が「今年急成長した。余裕ができて、すごく自信を持っている」と評する成長株だ。

 父が漫画「湘南爆走族」に登場する雅(みやび)ヨーコが好きで、そこから「みやび」と名付けられた守屋は、準々決勝ブラジル戦で先制ゴール。存在感を見せたものの、敗戦した準決勝フランス戦を渋い顔で回想する。自らのサイドを崩され、献上した延長前半の先制点に「クロスを上げさせてしまったけれど、うまくずらせばそうならなかった」と反省を口にした。

 MVPを獲得し、20年東京五輪での活躍が期待される杉田にも満足はない。「妃(きさき)」と「和やかに育って欲しい」という思いの掛け合わせで「ひな」と名付けられた杉田は、中盤の柱として全試合に出場。1次リーグカナダ戦でゴールを決めた思い出もあるが「試合前の分析はやったけれど、試合になって自分で判断する力が足りなかった」と厳しい表情を見せる。チームとしては12年大会に並ぶ過去最高の3位。それでも決勝の北朝鮮-フランス戦を全員で観戦し「より悔しさが出てきた」と唇をかんだ。

 今季は守屋がサイドバックで元日本代表DF近賀ゆかり(オーストラリア移籍)からポジションを奪い、杉田も昨季まで澤穂希さんが躍動したボランチなどで主力に定着した。リーグ戦では首位日テレと勝ち点7差の2位。世界の舞台で感じた悔しさと経験を、今季最後のタイトルにぶつける。