沖縄キャンプ中の浦和が、チームOBで元日本代表FW高原直泰(37)にハッパを掛けられた。合宿8日目の23日、今季初の対外試合を行い、高原が選手兼監督を務める沖縄SVと対戦。JFL昇格を目指す相手に3-2で競り勝ったものの、高原に得点を許すなど苦戦した。2試合目の海邦銀行戦は11-0で大勝した。

 浦和が先制した後の前半33分。クリアボールを拾って右サイドから送られたクロスを高原が頭でたたき込んだ。同点となり、約1000人が訪れた観客席はこの日一番の盛り上がりを見せた。高原は「ファー(クロスのサイドから遠いエリア)のマークが甘かったので、狙いどころにしていた」と浦和の守備の穴を指摘した。

 浦和はフルコートでの実戦は今季初めて。メンバー編成もまだ固まっていない。とはいえ相手は県リーグからJFL昇格を目指すチーム。オウンゴールで一時逆転を許すなど苦戦した。高原は「まだ動き始めで、ゲーム的なこともしていないと聞いている」と、浦和の現状に理解を示した。

 昨季ルヴァン杯を制した浦和だが、リーグは2年連続でCSで敗戦。特に昨季は勝ち点74と年間最多タイ記録を打ち立てながら、大一番で鹿島に敗れた。高原は「ミシャ(ペトロビッチ監督)のサッカーは浸透している。あと1歩、半歩先に行くために何が足りないのかを選手が感じ、自覚してやるしかない」と、辛口で期待を語った。

 厳しい先輩で知られるが、「公式戦まではまだ遠いし、これが第1歩。こういう形で手助けできれば。いい準備を進めてほしい」と後輩思いの一面ものぞかせた。自身が浦和でプレーした08~10年にはかなわなかったリーグ優勝。悲願がかなう瞬間を、遠く離れた沖縄から見守っている。【岡崎悠利】