首位討ちで鬼門アウェーを突破する。北海道コンサドーレ札幌四方田修平監督(44)が17日、22日の次節浦和レッズ戦(埼玉スタジアム)に向け「浦和の攻撃陣はナンバーワンだが隙はある。全員で戦って勝ちにつなげたい」と敵地初勝利を誓った。

 今季ホームでは4戦無敗(2勝2分け)も、アウェーは3戦全敗。指揮官は「負けてはいるが内容は悪くないし、アウェーでも勝ち点を積み重ねないと残留は厳しくなる」と“内弁慶”脱出をテーマに掲げた。

 5年ぶりの「埼スタドラマ」を再現する。札幌がJ1で最後に敵地勝利を飾ったのは12年10月6日浦和戦で、会場はくしくも同じ埼玉だった。J2降格決定直後の札幌が、優勝争い中の浦和の足をすくった。何が起こるか分からないのがスポーツ。沖縄での2月の練習試合は6失点敗戦も「映像は何回も見た。攻撃も守備も、いかに組織的に動かし優位に進められるか」と難敵討ちを思い描いた。

 台所事情は決して楽ではない。16日の川崎F戦でFW内村が負傷。右太もも裏肉離れの疑いがあり、次節出場が厳しい状況だ。8日東京戦で負傷したMFジュリーニョも、左ハムストリング(太もも裏)肉離れと診断され欠場が決定。ヘイス、金園も離脱中だが「既にある程度のイメージはできている」と、やりくりしながら布陣を組み替える。

 監督として埼玉のピッチに立つのは、札幌U-18監督時代の11年、プレミアリーグチャンピオンシップ(対広島ユース)に敗れ、初代王者を逃して以来。因縁の地で、知恵と組織力を駆使し、7年越しのリベンジを果たす。【永野高輔】

 ◆12年10月6日浦和戦(埼玉) 9月29日の前節川崎F戦で敗れJ2降格が決まった札幌と、3位浦和が対戦。後半5分、29分とMF古田が2ゴール。同41分に失点したが2-1でこのシーズン初のアウェー勝利を飾った。観衆は3万692人。浦和は札幌戦前まで2位仙台と勝ち点48で並んでいたが、次の仙台戦で2連敗、札幌戦後4戦未勝利(1分け3敗)と失速し、優勝戦線から引き離された。