FC東京の日本代表MF高萩洋次郎(30)がサンフレッチェ広島戦で約1カ月半ぶりに先発復帰した。

 3月の川崎F戦と代表活動で右母趾(ぼし)末節骨を骨折。全治3週間と診断されていたが、前節22日新潟戦の途中出場をへてスターティングメンバーに。周囲を操る長短のパス、相手のキーマンだったMF青山のマーク、機を見た攻め上がりからのシュート2本など存在感を見せつけた。

 14年途中まで所属した広島との再戦に「ただ勝ちたかった。東京らしく、守って1点差をモノにする勝ち方ができて良かった」と成長で恩返し。かつて師事した敵将の森保監督からは「あらためて良い選手だと思った。味方を使いながら試合をコントロールし、自らも前線に上がって危険な攻撃を仕掛けてきた。守りでも我々の攻めるポイントを押さえたクレバーな動きをしていた」と絶賛された。

 視察した日本代表ハリルホジッチ監督からも「できるだけ速く、フィジカルコンディションとリズムを取り戻してもらいたい」と期待された。上々の復帰戦となり、高萩も手応えをつかんだ様子。取材エリアで笑顔まじりに「感覚はだいぶ戻ってきたかな。今日は守備が中心だったけど、運動量が戻ってきたことが大きい。あとは細かいところ」。6月7日に東京のホーム味スタで行われる国際親善試合シリア戦や、同13日のW杯ロシア大会アジア最終予選イラク戦(中立地イラン開催)に向けてと復調をアピールした。【木下淳】