<J1:広島0-2浦和>◇第3節◇15日◇Eスタ

 サポーターが差別的な横断幕を掲げた問題で、旗や横断幕を使った応援を禁止したサッカーJリーグの浦和が15日、広島市のエディオンスタジアム広島で昨季J1王者の広島を2-0で破った。普段は大小の旗や横断幕が揺れるゴール裏の観客席の光景は一変したが、浦和の原口元気選手(22)は「変わらずに応援してくれて気持ちが伝わってきた」と約1800人の熱心なサポーターに感謝した。

 浦和は処分後の初戦に通常より大幅に多い32人の職員、警備スタッフを派遣したほか、約2500枚のビラを配り、旗などの掲出禁止に協力を求めた。東京都調布市の男性会社員(28)は「いつもはフラッグを持ってくるが自粛した。ルールにのっとってみんなで応援できた」と語った。

 試合前から多くのサポーターと握手をした淵田敬三社長(59)は「頑張りましょう、という声を多くいただいた。頭が下がります」と述べた。

 試合終了後には選手や監督、スタッフがそろってゴール裏であいさつすると「ウィー・アー・レッズ」の大合唱が起こった。埼玉県和光市の男性会社員(44)は「ビッグクラブにふさわしいサポーターになっていきたい」とファンの思いを代弁した。