J1磐田の新外国人MFロドリゴ(27)が“静かなるドゥンガ”になる。10日にクラブハウスで入団会見を行い夕方には早速、体を動かした。かつて在籍したドゥンガのように闘志をむき出すタイプではないが、主将を歴任してきた男の勝利への執着心は同じ。私生活でも来年1月に、婚約者アマンダさん(21)と結婚する予定で、公私とも最高のオフにするため磐田を立て直す。早ければ20日大分戦(九石ド)でデビューする。

 冷静で、物静かな声だった。「初めまして、ロドリゴです」と自己紹介で始まった会見。かつて、同じボランチでブラジル代表監督のドゥンガがいたことを知ると「僕はドゥンガのような(熱い)性格は持ち合わせていないよ」と笑った。ただ、勝利への欲求は変わらない。所属チームで主将を務めた理由を「ピッチの中で絶対に手を抜かず、勝ちにこだわる姿勢」と自ら分析した。“静かなるドゥンガ”が、磐田に来た。

 「守備的な役目で、試合をコントロールするのが持ち味」。そう自己アピールするロドリゴはU-17、U-20ブラジル代表で主将を務め、99年の世界ユースではバルセロナFWロナウジーニョらとともに戦った。「彼は能力を持った選手で、叫んで指示する必要はなかった」と笑ったが、チームをまとめる能力はたけている。内山監督も「早くフィットしてほしい」と、体調次第で15日の練習試合に起用する考えも示唆した。

 順応への意欲は高い。五輪代表候補に入っていた00年にギリシャへ渡り、03年からフランスでプレー。各国を経験する男は、この日の昼食で天丼とそばを頼むと、初体験の「はし」を自ら使った。前日9日に来日したばかりだが「早く日本に順応したい意識の表れだろう」と内山監督。一粒も残さずに食べ終えた。

 来年1月には、交際2年半の婚約者アマンダさんと結婚する。趣味は、アマンダさんと過ごす時間と言い「落ち着いたら日本に呼びたい」と、はにかんだ。メディカルチェックなどで、全体練習に合流できるのは14日から。ただ、選手の特徴はDVDを見て頭に入れた。「今日から10日間で体をつくりたい」と、頼もしげに言った。【今村健人】