J1昇格をかけて30日のアウェー愛媛戦(ニンスタ)に臨むJ2山形が、悲願達成後の記念パレードや、式典開催の検討に着手した。自力でも、3位仙台の結果次第でも自動昇格の2位が確定する、運命の日を翌日に控えた29日、山形は天童市で非公開練習を実施。選手ら現場は無心で汗を流し決戦に備えたが、フロントや周囲は「Xデー」に向けて、着々と準備に入った。

 9日の徳島戦勝利から20日目。山形イレブンは、J1昇格に王手をかけてから初めて、重圧から解放された。愛媛戦に向けた非公開の最終調整。関係者がグラウンド周囲を入念に巡回し、取材も見学もシャットアウトする厳戒態勢を敷いた。ファンサービスさえ封印したのは、愛媛戦の勝利=昇格切符を持って帰るためだ。「選手を集中させたい」という小林監督の意図をくんだのか、訪れたサポーターは皆無。周囲の理解を得た選手は、平常心を取り戻すことだけに集中した。

 一方、フロント側は、悲願成就の日に向けて水面下で準備していた。昇格が決定した場合、山形県内で記念パレードや大規模会場を貸し切ったセレモニーを開催する。検討段階だが、実施は年内予定。今後、自治体の協力を求めるなど調整事項は多いが、既にパレードの計画づくりや式典の会場調査に着手している。

 フロントだけではない。至福の瞬間を見届けようと30日の愛媛戦には、300人を超えるサポーターが駆け付ける見込みで、くす玉やダルマなど祝福グッズも用意しているという。山形が愛媛に勝てば無条件で、3位仙台が同日開催の鳥栖戦に引き分け以下に終われば、日本サッカー最高峰の舞台=J1が山形に用意される。この日夕、松山空港に到着した小林監督は「頑張ります」と短い言葉に決意をにじませた。選手の頑張り、フロントの準備、サポーターの期待を無駄にしないためにも、勝ってクラブの歴史を塗り替える。【木下淳】