鹿島の日本代表DF内田篤人(21)に、「ゴールデンウイーク特別休暇」が与えられる。2日の千葉戦(フクアリ)でベンチ外になることが1日、分かった。クラブ関係者が明かしたもので、今季クラブと代表で19試合出場している「日本一忙しいJリーガー」は、5日のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の水原戦や日本代表戦など今後の過密日程を見据え、つかの間の休息を手にする。

 試合中の脳振とう、嘔吐(おうと)に加え、左脇腹打撲、右太もも裏違和感…。今季、すでに数々の激戦を経てお疲れモードの内田に世間さながらの「特別休暇」が与えられた。クラブ関係者が「内田は千葉戦のメンバーから外れた。ベンチにも入らない」と完全休養を明言した。

 内田はこの日、軽い調整練習に参加。右サイドからクロスを上げる普段の役割を、代わって出場が濃厚なDF新井場に任せて中央でシュートを打つことに終始した。「明日?

 どうかな。監督に聞いてよ。体調?

 元気だよ」と話したが、オリベイラ監督から休養の意図は説明されているという。

 鈴木満強化部長が「W杯最終予選が終わるまで頑張ってほしい」と鉄人指令を出し、オリベイラ監督も過密日程を選手の入れ替えで乗り切る方針を示しながら「内田は代えのきかない選手」と断言したほど内田の貢献度は高い。だが、今回はACL水原戦から6月のW杯最終予選3試合まで過密日程を強いられる内田の体調を最優先した形だ。

 鹿島にとっては「英断」だ。内田が06年に入団後、故障や体調不良、代表活動以外でベンチを外れることは初めて。先発以外の時に鹿島は27試合8勝4分け15敗、勝率2割9分6厘と大苦戦しているほど、内田は必要不可欠な右サイドバックといえる。その内田を外すことは選手層への絶対的な自信の裏付けでもある。

 「(今季は)昨季より試合が多いよね。でも大丈夫だよ。みんなきついからね」と気丈に話していた内田にとって、世間のように「14連休」とまではいかないものの、千葉戦の休養は貴重な小休止になるはず。現在ACLのG組2位で1位突破のためにも必勝が求められる水原戦で、リフレッシュした姿で勝利に貢献するはずだ。【菅家大輔】