<J2:仙台2-1横浜FC>◇第17節◇23日◇福島県営あづま陸上競技場

 J2仙台MF梁勇基(27)が、主将の意地の1発でチームを3戦ぶりの勝利に導いた。0-0の後半13分、約50メートルのドリブルから技ありのループシュートでV弾をゲット。FW中原貴之(24)も今季初ゴールで続き、横浜FCに2-1で勝った。第1クール(17試合)最終戦を勝利で締めくくり通算11勝2分け4敗。昇格圏内の3位を維持した。

 ピッチ中央で、MF関口からのパスを受けたMF梁が前を向く。約50メートルをドリブルで駆け抜け、ゴール前で急停止。GKの位置を瞬時に見極めてループシュートを放つと、ゴール右隅に静かに吸い込まれた。「(左サイドバックの朴)柱成が上がってなかったんで、ゴールを向いたらコースが見えた。GKの頭を越すことだけを考えた」と梁。重苦しいムードを1発で吹き飛ばした。

 主将としての意地が、手負いの体を突き動かした。20日の愛媛戦で、左ひざ周辺の内側広筋を打撲。前日22日も、ボールを蹴れないほどの痛みが残っていた。アイシングと圧迫を繰り返し、この日朝の状態も万全ではなかったが「(最近2戦の)ふがいない試合に責任を感じるし、出るからには情けないプレーはできなかった」と梁。7連勝後、格下相手に1分け1敗。この日も最下位の横浜FCに苦戦したが、個人技でイレブンを鼓舞した。

 第1クール(C)の最終節を勝利で締めくくり、昇格圏内の3位を維持した。指揮官は「第2Cこそ、第1Cで果たせなかった勝ち点40を奪ってみせる」と宣言。例年、もろさを見せる夏場の第2C。本当の手腕が問われる。【木下淳】