<J2:札幌2-1愛媛>◇第26節◇8日◇ニンスタ

 J2札幌が残り9分からの逆転劇で後半戦初戦を白星で飾った。愛媛とのアウェー戦は、試合終盤までリードを許す苦しい展開。0-1で迎えた後半36分、途中出場のFW上原慎也(22)のゴールで追い付くと、同39分にDF芳賀博信(26)が決勝弾を決め、残り9分から2-1と逆転した。6月3日の栃木戦以来7試合ぶりの勝利を挙げ、巻き返しへリスタートを切った。

 石崎マジックで瀕死(ひんし)の札幌が息を吹き返した。5月5日の栃木戦以来、13試合ぶりの逆転勝利。しかも敗戦を覚悟した後半36分から、わずか3分での2発という執念で勝ち点3をたぐりよせた。劇的な勝利に、MFダニルソンは「みんなの勝ちたい気持ちが最後に出た。途中から入った選手がいいリズムを与えてくれた」。失いかけた自信をチーム一丸で取り戻した瞬間だった。

 前半は最悪だった。DFラインでも中盤でもイージーミスを連発し試合を支配された。シュートはわずか1本。ハーフタイム、気の抜けたプレーを繰り返すイレブンに指揮官から雷が落ちた。「すべてがバラバラじゃ。ピッチで戦うのはおまえらじゃろ!

 残り45分、戦え!」。1カ月以上も勝利から見放され、負け癖がつきかけていた選手の目が覚めた。

 MF砂川は「前半は戦術とか技術以前の問題だった。石さんの一言でみんなの気持ちがボールに乗った」と振り返る。後半は決してパスで崩した理想の展開ではなかったが、湿度78%のうだるピッチをものともせず、1人1人ががむしゃらに突進する姿勢が土壇場での逆転劇につながった。

 7試合ぶりの白星。それでも石崎監督は「最後まであきらめなかった姿勢は評価したいが、前半みたいなことをすると試合をやる意味がない。45分を無駄にした」と厳しく指摘した。結果は残せたが、監督がいなければ自分たちでメンタルを操縦できない未熟さがある。

 FW中山は「勝つという結果は出せたけど。次はこれを続けなければ、自分たちは上には上がれない」と言う。後半戦初戦で拾ったのは、勝ち点3以上に大事な戦う心。11日の次節熊本戦で、今度こそ厚別1勝を挙げ、サポーターとともに本当の勢いを取り戻す。【永野高輔】