<J1:柏5-0清水>◇第31節◇8日◇柏

 1度外れた歯車が再びかみ合うことはなかった。J1清水は敵地で柏と対戦し0-5で惨敗、首位川崎Fとの勝ち点差8、3位のG大阪とも勝ち点差4に広げられ、逆転優勝どころか、ACL出場権獲得すら厳しい状況に追い込まれた。試合後会見場に現れた長谷川健太監督(44)は重い足取りでマイクの前に座ると「今日は完敗です。レイソルに圧倒され、情けない試合をしてしまった。もう1度原点に戻って戦うということを思い出さないといけない」と敗戦の弁を並べた。

 5失点完封負けは長谷川体制1年目の05年以来4年ぶりの屈辱だ。立ち上がりから結果次第ではJ2降格の危機に立たされていた柏の気迫に押され、前半だけで2点を失った。反撃に転じたい後半17分には、GK山本海の痛恨のミスで3点目を献上。「負の連鎖」は試合終了まで続き、反撃ムードすらつくり出すことができなかった。

 9月下旬に長谷川監督の来季続投内定を発表したが、その後のリーグ戦は4戦1分け3敗の大失速。一時は10年ぶりの首位にも立ったが、今では首位の背中は遠くなるばかりだ。それでも「ここまでみんなで頑張ってきた。それを無駄にしないためにも切り替えてやるしかない」と指揮官。5年間で築き上げてきたもの、6年目に対する期待を崩さないためにもこれ以上の負けは許されない。【為田聡史】