海人が決死の覚悟でゴールマウスを守る!

 J1清水は29日の天皇杯準決勝名古屋戦に向け27日、非公開で約2時間の調整を行った。この日は紅白戦で戦術面を確認。練習後、長谷川監督は「クロス対応、空中戦での安定感を取った。GKは海人でいく」と、ここまで同杯初戦から先発させてきたGK西部をベンチに下げGK山本海人(24)を起用することを明言した。

 同杯初の先発を告げられた山本海の心境は複雑だった。「ぼくが出るということは、出れない人もいる。今まで天皇杯は西部さんが出てきたし、もし逆の立場だったら悔しいし、なんでだよと思う」と、先輩の気持ちを察した。だが、プロである以上、ピッチに立って勝利を目指すのが大前提。「(GKが)代わって負けたというのは、いい気分じゃない。気持ちの奥底では西部さんに感謝しながら、結果を出すことが大事」と、言葉に力を込めた。

 01年度以来8年ぶりの優勝まであと2勝。山本海は「タイトルを取るのがチームの目標。負ければ今年は終わってしまう。何としてでもという気持ちで必死にやるしかない」。リーグ最終戦はスコアレスドローで痛み分けとなった名古屋と今度こそ決着をつけ、05年度以来4年ぶりの決勝に進出する。【為田聡史】