【グアム27日=永野高輔】新戦力FW内村が“ゴン式睡眠法”で復調した。コンサドーレ札幌グアムキャンプ8日目のこの日、右足首ねんざのため、始動時から別メニュー調整が続いていたFW内村圭宏(25)が、移籍後初めて全体メニューに合流した。中山が部屋の空気清浄器のボタンを「除湿」から「空気清浄」に変えた途端、調子が良くなった話を聞き、自らも実践。「ゴン師匠」はいまだ別メニューながら“教え子”が一足先にチームに合流し、回復ぶりをアピールした。

 ゴンの“まじない”が内村のケガも、うそのように回復させた。この日の午前練習後、石栗コーチのフィジカルチェックを受けた内村は、午後練習から全体メニューに合流。「まだ思ったように動けなかったが、みんなの中でやれたのは良かった」と笑顔だった。

 合流初日で、接触の激しい2対2の練習は避けたが、状態を確認した石栗コーチは「いきなりはリスクがあるが対人(プレー)もできなくもない。シーズン中ならできる状態」と説明。石崎札幌の一員として、新13番がようやく本格的な1歩を踏み出した。

 復調のきっかけは“ゴン式睡眠法”だった。中山が25日朝、就寝前に部屋にある空気清浄器のボタンを「除湿」から「空気清浄」に変えると患部の痛みが激減したと発言。その話を関係者から聞くと早速、実践し「部屋に掃除のおばさんが入ると除湿に戻されていることがあるので注意しました」。同日夜から2晩連続で行ったゴン魔術が効き?

 日ごとに状態が良くなったという。

 「気持ちの問題だと思いますが、とにかく中山さんのおかげです」と、科学的には証明できそうもない“奇跡”に驚いた。別メニュー中は、中山と水泳や筋トレをこなす機会も多く「すごい体つきを見て、いい刺激を受けながらやれた」と、おはようからおやすみまで「ゴン気」強く調整してきた成果が出た。

 昨季自身最多のJ2・18得点とブレークしたゴールハンターが、自身5季ぶりのJ1を目指す。07年にJ1大分からJ2愛媛に期限付き移籍したことがきっかけで目が覚めた。当時の愛媛は前年にJ参入したばかりで「ここで活躍できなかったら、もうサッカー人生が終わると思った」。体調管理に徹し、3年目の昨季、本職の中盤ではなくFWとして結果を残した。

 「愛媛も愛着はあったがJ1を目指すには時間がかかる。それを待っていたら自分の選手生命が終わる。今年中に札幌の昇格に貢献してもう1度J1に挑みたい」。札幌の“ウッチャン”はハングリー精神の固まりだ。