<練習試合:東京3-1仙台>◇20日◇45分×3◇宮崎県総合運動公園陸上競技場

 みちのくJクラブの今季新加入選手が、明暗を分けた。J1仙台の元日本代表MF太田吉彰(26)は、順調な融合ぶりをアピール。J1東京戦でFW中島の得点をアシストし、17日の福岡戦も含めチームの今季全3得点に絡んでいる。

 ひたすらサイドを往復した。大声でパスを要求し、走っては戻り、戻っては走り…。その愚直さが実を結んだのは3本目の6分。右サイドを抜けだしクロスを上げる。FW中島に合わせゴールをおぜん立てした。17日の福岡戦でも2得点に絡み、今季のチーム全ゴールが太田から生まれた。だが「勢いだけで勝てるほどJ1は甘くない。もっと積極的にならないと厳しい」と本人はストイックだ。

 この日で、3月6日の開幕戦(アウェー磐田)まで2週間。新戦力の中で、最もチームにフィットしているのが太田だ。手倉森監督は「縦への走りとか持ち味を出してくれる」と評価。仲のいいFW中島も「もっとヨシ君(太田)との連係を高めて、点で合わせられる関係になりたい」とホットライン開通に意欲を見せた。

 太田にも「パスをもらえる回数が増えてきた。顔が怖い僕に、みんな話しかけてくれるし」と融合の手応えがある。磐田時代は10日間だったキャンプが、仙台では計30日間を超えるため「ピッチ内外の特長をつかみやすい」とも話す。古巣磐田との開幕戦へ「何としても出場したい」。その日まで、得点に絡む結果を出し続ける。【木下淳】