<J1:名古屋2-1山形>◇第9節◇1日◇瑞穂陸
名古屋の日本代表DF田中マルクス闘莉王(29)が山形戦の後半44分に「FW」として決勝点を決めた。定位置のセンターバック(CB)で先発したが、1-1の後半36分からストイコビッチ監督の指示でFWに上がり、終了間際にヘディングで試合を決めるゴールを突き刺した。ここ5戦3発の得点力は、W杯南アフリカ大会でも「切り札」になりそうだ。
「FW闘莉王」が試合を決めた。1-1の後半44分。左クロスに相手DFの背後からジャンプして競り勝ち頭でねじ込んだ。サポーター席に走り背番号4を誇らしげに示すと、次はピッチ沿いをベンチ前のストイコビッチ監督めがけて猛ダッシュして抱擁。ロスタイムの5分間は最終ラインに戻り、体を張って守りきった。
闘莉王
自分の価値は、ほかの選手とはちょっと違う。0-0、1-1で終わる試合にプラスアルファをもたらして試合を決められるか。今日点が入らなければ『前(FW)に出されたのに何だアイツは』と評価が下がっていたはず。
「切り札」として、名古屋移籍後初めてFWに上がるよう指示を受けたのが後半36分。わずか10分程度の限られた時間でも、生粋のストライカーのようにゴールにこだわり抜いた。2トップを組んだFWケネディは「新しいストライカーの誕生だね」。格上と戦うW杯でも、終了間際のFW闘莉王は有効なオプションとなるはずだ。代表GK楢崎は「上がったアイツのところに、なぜかボールがこぼれる。そういう星の下に生まれているのかも」と話した。
DFとして守り、FWで決めた。まるで漫画のような展開だった。ただ、主役には1つだけ納得がいかないことがあった。前半15分にハンドで警告を受け、累積により次節5日の古巣浦和戦(埼玉)は出場停止。微妙な判定で浦和サポーターへの「恩返し」のチャンスがうせ「レフェリーのせいで埼玉スタジアムに行けなくなった」と、こぼしたのもまた、やんちゃな闘莉王らしかった。【八反誠】



