Jリーグの新チェアマンに決定した大東和美氏(61=鹿島社長)が、シーズン秋春制について「現状では無理」という見解を示した。20日、東京・本郷のJリーグで通常総会及び臨時理事会を行い、同氏が4代目チェアマンに選任された。任期は2年。就任会見で、シーズン移行の質問を受けた大東氏は「すでに昨年に方向性が出ているという認識」と語るなど、退任する鬼武健二チェアマン(70)の意見を継続していく姿勢を見せた。

 秋春制は欧州などで採用されており、日本協会の犬飼基昭会長が「FIFAのカレンダーに合わせて活動できるなどメリットがある」として、移行を提案している。だが、Jリーグでは昨年3月までに将来構想委員会などで検討し「スタジアムなどの問題で、冬場の試合は難しい」という結論を出した。しかし、その後も犬飼会長の熱意は衰えていない。今回のチェアマン交代における、最大の焦点といってよかった。

 大東氏は「今後のサッカー界発展のため、環境などに変化があれば議論したい。ただ、今のままでは東北や日本海側のクラブの了解は得られない状況だと思います」と、明確な姿勢を強調した。ラグビーの元日本代表という異色の新チェアマンが、いかに犬飼会長と渡り合っていくか注目される。【飯島智則】