入場者数の水増し疑惑が浮上した大宮が、Jリーグの裁定委員会で処分を受ける可能性が出てきた。12日、大宮の渡辺誠吾社長(55)が都内のJリーグ事務局を訪れ、入場者数に問題があったとされる2日の大宮-浦和戦(埼玉)について、調査の現状を報告。J側への報告書の提出期限延長を申し入れ、了承された。提出期限日は確定していないが、Jリーグの羽生事務局長は「報告書を待って、対応を決めたい。規定違反が分かれば、裁定委員会を開く」と明言した。

 大宮は入場者数を3万3660人と発表したが、実際に入場ゲートを通過したのは2万9203人と誤差が大きい。「上乗せ」が事実であれば、ペナルティーは避けられない。渡辺社長はこの日、中野専務理事との会談後に開かれたJ1実行委員会の冒頭で、各クラブ代表に謝罪。今後について「調査内容をできるだけ早く説明できるようにする。責任を含めて、調査が済んだ段階でお話をしたい」と語った。

 問題の背景には、Jリーグが推進する年間総入場者数1100万人の「イレブンミリオンプロジェクト」がある。入場者数最下位の大宮は事務局から厳しい指導を受け、観客数アップへのプレッシャーを感じていたのも事実。報告書をもとに、再発防止を含めたリーグ側の対応が注目される。