横浜FCのFWカズ(三浦知良、43)がブラジルの古巣キンゼ・デ・ジャウーからラブコールを受けていることが12日、分かった。同クラブのジョゼ・コンスツルトール会長(54)が日刊スポーツ新聞社のインタビューに答えたもので、カズもその熱意に感激。来季横浜FC残留を一番に考えてはいるものの、シーズン終了後の12月にもブラジルに渡って同会長と会談する意向を明らかにした。

 カズは古巣からのラブコールに「うれしいね」と目を輝かせた。昨年、永住権更新のために渡ったブラジルで受けたオファーは、今年も変わっていなかった。ジャウーのコンスツルトール会長の「彼の返事を待っている。また、こちらで選手として活躍してくれるのを期待している」という言葉に「ちゃんと話をしなくちゃいけないね。シーズンが終わったら行けるかな」と、12月にもブラジルに渡ることを示唆した。

 ブラジルは、カズにとって第2の故郷、原点でもある。「現役の最後はブラジルでプレーしたい」という気持ちは常にある。昨年は久しぶりに古巣を訪れ、練習にも参加した。クラブ関係者に熱烈な歓迎も受けたが、時間的な余裕がなくてジャウー側と正式な交渉もできないまま話は流れた。だからこそ、今回は直接交渉へ前向きなのだ。

 もちろん、カズが「一番いいのは横浜FCでプレーすること」と言うように、最優先は横浜FCとの契約交渉。クラブ側は延長の方向で、北川強化担当は「再来週にも本人と交渉する」と話した。3試合連続1-0の勝利に貢献するなど、シーズン終盤になってカズの存在感は増している。「もっと長く出たい」と言いつつ「少ない時間に結果を出すのも大切なこと」と、今の役割を楽しんでいるのも事実だ。

 10月末にはカズの実父の納谷宣雄氏がジャウーを訪れている。同クラブのHPは納谷氏の話として「カズは日本のクラブと交渉中だが、もう1度ここでプレーすることを望んでいる。引退試合をジャウーでやりたいと思っている」と伝えている。横浜FCとの契約がすんなりまとまれば、断るためのブラジル行きになる。しかし、ジャウー側の熱意は本物。キングの最終決断を待つしかない。