<ゼロックスS杯:柏2-1東京>◇3日◇国立

 昨季J1王者の柏が“夢の7冠”へ、希望をつないだ。前半26分にMFジョルジ・ワグネル(33)の左足ロングシュートで先制するなど、天皇杯覇者の東京に前半で2点を先行。1点を返された後半は、苦しい時間帯をチーム一丸で耐えて初優勝し、賞金3000万円を獲得した。今季はリーグ戦とアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)など過密日程が続くが、筋力強化をはじめネルシーニョ監督(61)のもと、「7冠」の目標達成へさらなる進化を続ける。

 ピッチに倒れ込む選手はいなかった。試合終了と同時に、柏イレブンは笑顔でハイタッチを交わし、勝利をたたえあった。1月30日の始動以来、オフはたった1日。それでも疲労より充実感の方が大きかった。

 開始から劣勢が続いた。東京のコンパクトな守備の前に、パスがつながらない。外国人選手の個人技とPKで前半2点リードで折り返したが、後半20分に1点を奪われ、守勢が続く場面もあった。それでも最後まで粘り強く守り抜いた。DF酒井は「点を取られても、安定した試合をできている」と納得の表情だった。

 今季は「7冠」という高い目標を掲げた。リーグ戦とACLを戦い抜く体力を養うために着手したのが筋力強化だった。昨年は週2回程度だった筋トレを、今年は2日に1回にした。FW北嶋は「今は今季使うガソリンをためているところ」。FW田中も「気持ちも体も連戦に慣れてきている。前とは比べものにならない」と振り返った。

 ネルシーニョ監督の選手掌握術も、チームの底上げにつながっている。実績や知名度に固執せず、調子のいい選手を紅白戦で起用してきた。それが選手たちのモチベーションを高めている。新加入のDF那須も「柏は若手の選手もみんなガツガツしている」と話す。今日4日にACL初戦のブリーラム・ユナイテッド戦(7日)に向けてタイへ出発する。田中は「今年2戦2勝だけど、まだベストではない。もっとすごいと思ってもらえるサッカーができる」。J1優勝、そしてさらなる進化を自信に変えて、世界へ挑戦する。【保坂恭子】