<三浦淳宏引退試合:横浜フレンズ3-2ATSUフレンズ>◇4日◇ニッパ球

 C大阪の来季監督候補に挙がる名波浩氏(40)が4日、就任に向けて前向きな姿勢をみせた。名波氏は、横浜ニッパツ三ツ沢球技場(ニッパ球)で行われた「三浦淳宏引退試合」に出場。試合後この件で初めて口を開き、C大阪との接触を認めた上で「クラブから連絡が来れば、話し合いをする」と、近く正式交渉のテーブルにつくことを明かした。

 試合後の雨に降られながら、名波氏は口を開いた。「まだ何も決まっていないから」と1度は話をさえぎりながら「話はある。正式な交渉はまだだけど、連絡が来れば話し合う」と、前向きに接触を認めた。08年に引退した時から、将来の目標はJ監督。「そのためにS級(ライセンス)を取ったのだから」と、指導者としての意欲もみせた。

 さらに、名波氏は偽らざる本音を明かした。「第1はジュビロ(磐田)を考えていた。でも、(クラブ側から)ないと言われたからね」。10年以上プレーした磐田は、名波氏にとって特別なクラブ。「今はまだシーズン中だし、セレッソも優勝争いがある。まあ、ウチが落ちる方が先かもしれないけど」と、現在もアドバイザーを務めている磐田を「ウチ」と表現した。

 この日も「ATSU

 FRIENDS」の背番号7として、いまも衰えない左足の技術を披露した。藤田俊哉氏、福西崇史氏ら磐田の黄金時代を築いた仲間と華麗なパスを回して「みんな、楽しかったと言ってたよ」と満足そうに話した。もちろん、将来監督を目指す旧友たちとの話題も、来季以降のことだったに違いない。

 C大阪の印象について聞かれると「まだ、分からない」と言葉を濁したが、伸び盛りの選手が多いチームは監督1年目の手腕を発揮するのに最適な場。「相手のあることだし、長引かせるつもりはない。まず条件とかも聞かないと」と話した。ジュビロ愛を封印してのC大阪監督就任へ、名波氏は「ゆるく書いておいて」と、独特な表現で高まる気持ちを抑えていた。

 ◆名波浩(ななみ・ひろし)1972年(昭47)11月28日、静岡県藤枝市生まれ。清水商から順大を経て95年磐田入り。99年セリエAベネチア移籍も00年に磐田復帰。06年C大阪、07年東京V、08年磐田で引退した。98年W杯など国際Aマッチ67試合9得点。