J2横浜FCのFWカズ(三浦知良=44)の願いがかなう。クラブは9日、岩手県遠征の日程を12、13日から17、18日に変更すると発表。7日夜に起きた最大震度6強の余震の影響で開催可否を検討していたが、被災地からの期待の声に実施を決めた。

 開催時期はずれ込んだが、被災地の子どもたちと触れ合うには日程変更は追い風となった。17日に岩手県内の競技場でグルージャ盛岡(東北1部リーグ)との試合前に、同会場で一緒にサッカーをする場が設けられることが決定。同県内の避難所などで暮らす子どもたちを招待するため、クラブはバスの手配などを県などと検討している。

 先月の慈善試合に参加するなかで、カズは被災地を直接訪れた小笠原(鹿島)から、用具、グラウンドがないなどの現状を聞いていた。以降、「子どもたちを助けたい」と口にしてきた。この日の東京Vとの練習試合でも、途中出場でアシストを決め、会場の少年少女からニコニコ顔で「カズ!」の声が飛んだ。「子どもたちが楽しみにしていると聞いている」。同じ笑顔が、東北でもあふれることを、カズたちチーム全員は心から願っている。