<ACL:鹿島1-1水原三星>◇1次リーグH組◇19日◇国立
H組の鹿島が東日本大震災後、初の国内公式戦となった水原三星(韓国)戦を引き分けた。震災でカシマスタジアムが被災したため、国立競技場をホームとして臨み、後半9分にFW田代有三(28)が同点ゴールを決めた。通算1勝3分けで首位の水原三星と勝ち点6で並び、得失点差で2位につけた。
昨季、山形に期限付き移籍していた田代が、復帰後公式戦初ゴールでチームの敗戦を救った。0-1で迎えた後半9分、MF遠藤のクロスが相手DFに当たり、コースが変わったボールを左足でゴールに流し込んだ。「チームが勝てなくて残念だけど。9割くらいチームが取らせてくれた得点です」と振り返った。
相手はアジア杯韓国代表3人を擁する。個々の能力が高いチームが、DFの最終ラインに5人を並べ、守備的布陣で挑んできた。前半はスペースがなく、チャンスらしいチャンスをつくれなかった。さらに後半3分、MF廉に直接FKを決められ先制点を奪われた。
その状況を田代が打破した。田代は得点の4分前、相手GKと接触。左ひざを打撲し、右股関節も痛めていた。「走るだけで痛かったけど、このまま終わるわけにはいかなかった。いいプレーをして、サポーターを喜ばせたかった」。震災後、初の国内公式戦。被災クラブとして、復興の象徴とする勝利を届けたかった。その思いが、田代を走らせた。FWカルロンが右もも裏痛で出場できず、この日伝えられた先発のチャンスを生かした。
得点をお膳立てしたのは、後半から途中交代で出場の遠藤だった。被災地宮城の仙台市出身。家族の無事は確認できたが、津波で家を流されたり、家族を失った知人もいる。それだけに「少しでも元気を出してもらえるようなプレーを見せたい」と闘志を燃やした。
1次リーグ首位奪取はならなかったが、ホーム国立での残り2試合を、有利な状況で迎える準備はできた。【塩谷正人】



