<J1:浦和0-0仙台>◇第32節◇19日◇埼玉
仙台がスコアレスドローで勝ち点1を上積みした。雨で滑るピッチに苦しんで浦和に押し込まれる場面も目立ったが、ゴールだけは死守。アウェーの浦和戦初勝利は逃したが、連続不敗は「11」。名古屋に敗れた4位横浜との勝ち点差を2に縮めた。
下を向く必要はない。口にする言葉は違えど、仙台の誰もが同じ思いだった。15位に低迷して残留争いを演じる浦和相手にドロー。しかし、手倉森誠監督(44)は毅然(きぜん)としていた。「アウェーで勝ち点1が取れた。我々が目指す、4位のチーム(横浜)が負けている。大きい勝ち点1だと選手には言いました」。4位に浮上し、ACLへ望みをつなぐ。そのために必要な最低限のことはできた。
過去、アウェーでの浦和戦は1分け4敗。相手サポーターの熱狂的な応援の中、予想どおり苦戦を強いられた。仙台の選手にボールが渡るとブーイングが起きる異様な雰囲気、ぬかるんだピッチ状態。前半のシュートはわずか1本だった。耐える時間が長かったが、統率された守備は崩れなかった。FW太田は前線からボールを追い回し、MF松下は攻守に奮闘。後半14分には朴が負傷交代となったが、ボランチで先発したMF田村をサイドバックに下げて対応した。
90分間、全員でしのいで無失点。その成果が勝ち点1。手倉森監督は「勝ちたいというより、負けたくない。震災には負けないんだというメンタリティーが、ウチの選手にはある」と連続不敗を支える堅守に胸を張った。田村も「後ろの選手としてゼロで終われたのは良かった」とうなずいた。
手倉森監督によれば朴は右ハムストリングの肉離れのような状態だという。累積警告の松下とともに、次戦には出られない。激戦の代償は小さくないが、DF渡辺は言い切った。「満身創痍(そうい)と見られてるけど、代わりに入った選手で(失点を)ゼロでやれてる。自信をもっていい」。チームは数字以上に手応えを感じている。高みを、ACLを目指す歩みは終わっていない。【亀山泰宏】



