仙台MF関口訓充(25)が“初志貫徹”を説いた。29日、チームは1日のオフをはさんで泉サッカー場で練習を再開した。4位浮上には勝つしかない12月3日のリーグ最終節神戸戦だが、チームはここ4試合ノーゴールという状況。それでも攻撃の中心を担う男は、得点を意識しすぎる必要はないと断言した。守備から入る仙台本来のサッカーに徹して、ホームでの最終戦で結果を出す。

 点を欲しがるな-。関口はチームに、そして自分に言い聞かせているようだった。ACL出場の望みが広がる4位浮上がかかる最終節だが、勝ち点2差の4位横浜をまくるには勝利が大前提。つまり、点を取らない限り可能性は消える。さらにチームはここ4戦不発と嫌でも力が入る状況だが、関口は泰然自若だ。「いい形で攻撃はできているし、あとは決めるとこだけ。シーズンを通してこういう時期はある。それが最後に来ただけで、1点入れば変わる」と意に介さなかった。

 関口自身、今季は29試合に出場して無得点。日本代表にも選ばれた男として悔しくないはずはないが「取れれば一番いいですけど、4位が残ってる。勝つことが一番大事」と強調した。その上で自らの役割について「もう少し高い位置でプレーできればとは思うけど、攻撃と守備を両方やらないといけない。(マイ)ボールをつくることにも加わってかないと」と説明。攻撃や得点への過度な意識が、攻守のバランスを崩す恐れがあると分かっている。

 それはチーム全体にも言えること。「全員守備、全員攻撃」を共通認識として守備から入るのが仙台。震災による影響を乗り越え、堅守を武器に今季リーグで2番目に負けないチーム(6敗)として上位へ食い込んできた。ゴールは必要だが、こだわるあまりストロングスタイルを見失っては意味がない。「最後の試合、ホームで勝って4位を取りたい」と自然体で話した関口。11年仙台サッカーを貫き、4位を勝ち取る。【亀山泰宏】

 ◆仙台のACL出場条件

 2通りの可能性が残る。天皇杯で優勝すれば自力で出場権を獲得。敗退しても、リーグ戦の上位3チーム(柏、名古屋、G大阪)が天皇杯で優勝すれば、重複した出場権が4位に回る。5位の仙台が勝ち点2差の4位横浜を上回るには、最終戦の勝利が絶対。横浜が負ければ仙台が4位、引き分けた場合は得失点差で順位が決まる。