<ACL:東京2-2蔚山現代>◇1次リーグF組◇20日◇国立

 天皇杯王者でACL初出場の東京が白星をつかみ損ねた。F組の東京はホームの国立で蔚山現代(韓国)と対戦。前半37分にDF徳永悠平(28)のループシュートで先制。後半35分に同点に追いつかれたが、同38分にMF梶山陽平(26)が勝ち越し弾を決めた。だが勝利目前の後半43分、DFラインの裏を突かれて同点弾を許す悔しい引き分けとなった。

 会見場に訪れた東京ランコ・ポポビッチ監督(44)が怒りを抑えきれない。「最初に心を自分で落ち着かせないといけない」と切り出した。「今日の結果に怒っているのではない。ある選手が試合が終わる前に終わったと思っていたことに怒っています」と語気を強める。試合終了間際の同点被弾。選手の集中力欠如を許さなかった。

 勝ち越してから5分後のスキだった。同点の後半38分に梶山が勝ち越し弾。だが同43分、相手GKが大きく蹴り出したボールに対応できない。受けた蔚山現代FWマラニョンにループシュートを放たれ、GK権田の頭の上を越えていく同点ゴール。試合後のミーティングでも同監督は「何人かの選手が個人プレーに走っていた」と声を上げた。

 相手が強豪だけに、勝てば決勝トーナメント進出が見えてくるはずだった。同監督は「今日の『敗戦』は自分たちの責任。引き分けだが負けた気分」と厳しい口調だった。【今井貴久】