<J1:札幌0-2柏>◇第5節◇7日◇札幌ド

 勝てない-。札幌は柏に敗れ、石崎体制ワーストの4連敗となった。前半33分にDF奈良竜樹(18)の対応ミスから先制点を献上。後半18分にCKから2点目を与えた。3月31日の清水戦に続き2試合連続完封負け。昨季王者に今季最多23本のシュートを打たれ完敗した。昇格組で開幕5戦未勝利からJ1残留したクラブはゼロ。状況打破へ、石崎信弘監督(54)は先発メンバーのてこ入れを示唆した。

 何の手応えもなく90分が過ぎ去った。スタンド前であいさつする札幌の選手たちに、拍手がおくられる。開幕から5戦未勝利。4連敗してもブーイングはなし。選手たちにとってこれ以上の屈辱はない。主将の河合は「完敗。何も収穫はない。チームでコミュニケーションを取って修正していかないと」と険しい表情で振り返った。

 一方的な展開で散った。前半33分に柏DF酒井からのロングボールを奈良がトラップミスし、こぼれ球を工藤に拾われ先制点を献上した。前日6日に五輪代表候補に初選出されたばかりのホープが、思わぬ失態を犯した。「軽率なプレー。申し訳ない」。後半18分にはレアンドロのCKを近藤に押し込まれ失点した。酒井とレアンドロ。戦前から警戒していた2人に、しっかり仕事をされた。

 過去、昇格組で開幕4戦未勝利から残留したケースはあった。02年京都が5戦目から7連勝で巻き返したが、5戦未勝利からの残留劇は例がない。最下位転落は免れたが、攻撃陣の5戦2得点はJ1ワースト2位と、現状は厳しい。石崎監督は「今のメンバーで固定されているわけではない。結果が出なければ厳しくなる」と言った。リーグ5戦は先発メンバー13人で回してきたが、状況を変えるため、メンバー変更も辞さない覚悟だ。

 4日のナビスコ杯横浜戦は控えメンバー主体で公式戦初勝利。勢いに乗るはずが逆に意気消沈してしまった。近藤は「ナビスコでいい流れをつくってもらったのに申し訳ない。ミスも多い。前が点を取らないと勝てない」と猛省した。

 長いトンネルから抜け出すためにはショック療法も必要。指揮官は「うちにはレアンドロはいない。個人では勝てない。全体でどうつないで攻撃をしていくかを考えないと」と言った。新たな布陣を考えながら、リーグ1勝への道を探していく。【永野高輔】