<J1:川崎F0-1東京>◇第5節◇8日◇等々力
東京が1人少ない10人で川崎Fから勝利をもぎ取った。後半3分にMF長谷川アーリアジャスール(23)が、この日2回目の警告で退場処分となる窮地で、同42分にCKからDF森重真人(24)が決勝ヘッド。両軍の本拠地が多摩川を挟んである「多摩川クラシコ」の連敗を4で止め、3位に浮上した。試合後はアウェーにもかかわらず、ランコ・ポポビッチ監督(44)が大歓声を受ける異様な盛り上がりとなった。
決勝ヘッドの森重がファンへのあいさつを終えても、熱気は収まらない。ポポビッチ監督が笑顔で赤と青で揺れる観客席へ歩み寄る。東京サポーター恒例の「シャー、シャー、シャー」の掛け声で右手を一緒に突き上げた。アウェーながら優勝を決めたかのような盛り上がりに、同監督も「セルビアなら取っ組み合いになる。警察も機動隊も馬も出てくる」と笑った。
後半3分に暗雲が立ち込める。長谷川がボールを持った川崎F中村を止めようと足を出し、ファウルを取られる。この日2枚目の警告で退場。10対11となるが、選手たちは冷静だった。自陣でボールを保持される時間が長くなっても焦らない。同42分、MF石川のCKを森重が決勝ヘッド。勝ち点を12に伸ばし、3位に浮上した。
10人での勝因に同監督は「戦い方を変えずパスサッカーを貫き続けた。バルサが負けて毎回(戦い方を)変えていれば、今のバルサはない」と話す。3月27日の練習では11対12の紅白戦を行い「相手が1人多くても判断、動きだしを早くすることは出来る」と準備に抜かりはなかった。
前戦のACL・北京国安戦(4日、北京)では相手の厳しい攻めに負傷者が多発した。それでも選手たちにあきらめはなかった。森重は「積極的にボールを奪いに行く勇気を持って戦うことが出来た」と目を輝かせる。J2から昇格したばかりの東京が、また強くなった。【今井貴久】



