<J1:川崎F1-0札幌>◇第27節◇29日◇等々力

 札幌の石崎信弘監督(54)が、今季限りでの辞意を明かしていることが29日、分かった。チームはこの日、川崎Fに敗れ、残留圏の15位以上に入る可能性が消滅し、来季のJ2降格が決定した。7試合を残しての降格は07年横浜FC、08年札幌の残り5試合を超える最速。クラブでは今後、石崎監督の意思確認を行い、来季監督の人選を進めていく。

 ついに終戦となった。今季はクラブワーストタイの7失点大敗を2度喫するなど守備が崩壊。J初の9月降格が決まってしまった。試合後の石崎監督は進退について明言しなかったが既に関係者に「このような成績で監督を続けるの難しい」と、今季限りでの退任を示唆している。契約は1年契約。今後は代理人を挟み、クラブと来季以降の具体的な話し合いに入る。

 まだ今季7試合を残す状況。クラブとしての展望は、これから詰めていくことになる。現在、元仙台、C大阪監督の都並敏史氏(51)元札幌FWの小倉隆史氏(39)ら複数候補が浮上しているが、石崎監督も候補の1人。昨季3年目で昇格に導いた手腕を評価しており、三上大勝強化部長(41)は「クラブとして石崎監督の意思確認はこれから行うことになる」と話した。来季以降の構想を詰めた上で適任者を探していく。

 J1では今季27戦でわずか3勝と苦しんだ指揮官だが、09年の就任からクラブ最長の4シーズンで多くの収穫をもたらした。DF岩沼、MF宮沢、古田ら生え抜きの若い選手に経験を積ませ主力選手に育てた。09年の西、10年の藤田ら毎年、オフに主力が流出しながら、地道にチームをつくり昇格という結果をもたらした成果も大きい。

 矢萩竹美社長(62)は来季以降の展望について「いきなりJ1復帰というのも視野に入っているが、2、3年と中長期的な視点でやっていくことも考えている」と含みを持たせた。4年ぶりのJ1での戦いは最短降格という厳しい結果になった。残りは7試合。約3カ月を残しての終戦となり、クラブとしての具体的方針を固めてから、次期指揮官の具体的な人選に入る。

 ◆石崎信弘(いしざき・のぶひろ)1958年(昭33)3月14日、広島生まれ。広島工高から東農大に進み、80年に当時日本リーグ2部の東芝(札幌の前身)入り。93年現役引退。95~98年山形、99~01年大分、01~03年川崎F監督、04年清水ヘッドコーチ(後半戦から監督昇格)、05年東京Vヘッドコーチ、監督代行、06~08年柏監督。09年に札幌監督就任。Jリーグ通算482試合226勝89分け168敗。勝利数は元G大阪の西野監督の244勝に次ぐJ史上2位。家族は夫人と2男。175センチ、72キロ。血液型はO。