いきなり財前流!

 J2札幌は7日、札幌ドームで紅白戦を行った。財前恵一監督(45)は開幕戦勝利も、明日9日のホーム開幕山形戦に向け、早くもメンバー入れ替えに着手。MF河合、DF日高、FW前田の3人を主力組に抜てきした。昨季は3戦目からすべて違う先発布陣で戦ったが、今季は2戦目から早速、組み替え、13年ぶり開幕2連勝につなげる。

 開幕磐田討ちは、もはや過去のこと。財前監督は「まだまだプレーに遅いところがある」と指摘する新人ボランチ上原拓と、駒野にクロスを上げられるシーンが多かった左サイドバック松本を控え組に回した。代わりに、中盤には主将の35歳河合、DFラインには副主将の30歳日高と、ベテラン2人を抜てきした。

 優勝候補撃破も、勢いで2連勝できるほどJ2は甘くない。前線から全員で積極的に追い込み、カウンターを仕掛ける石崎山形は、個の技術で崩す磐田とタイプが違う。「磐田戦のように奪った後、すぐ取られるとやられる」と指揮官。守備で90分、集中を維持するために、経験豊富な2人を起用し、前線にも磐田戦に出なかった前田を入れるなど、一気に3人変えた。

 昨季42戦で先発41パターンを駆使した財前監督だが唯一、同じ布陣だったのが開幕千葉戦と第2節栃木戦だった。結果は開幕連勝を逃し、3連敗につながった。前指揮官との対戦に河合は「中途半端なパスを出すとはめられる」と警戒。日高は「若いDF陣を落ち着かせる役目も担う」と言った。同じ過ちはしない-。2戦目から厳正な人選でチームを締め直し、開幕ダッシュを狙う。【永野高輔】