<J3:YS横浜1-1秋田>◇第1節◇9日◇ニッパ球
今季から新設されたJの舞台で、秋田はアウェーでYS横浜と引き分け。積雪のため屋外で最終調整ができないまま開幕戦に臨んだが、与那城ジョージ監督(63)が掲げるパスサッカーでサポーターを沸かせた。
秋田にとって、勝ち点1以上の価値がある90分だった。主将のMF熊林が「ペース配分できるほど調整できてない。前半から行けるところまで行くつもりだった」と言うように、序盤からエンジン全開。キャンプで鍛えてきた「止める、蹴る」の基本から細かくボールをつなぐ遅攻と、1本の縦パスで相手DFラインを破る速攻を織り交ぜてYS横浜を圧倒した。18分にはFWレオナルドとMF半田の好連係から相手のハンドを誘ってPKを獲得。狙い通りの先制点に、与那城監督も「前半はみんなよく動けていた」と調整不足を感じさせない内容に目を細めた。
後半に足が止まるのは想定内だった。2月28日まで沖縄で2週間のキャンプを張ったが、地元に戻った開幕前1週間は体育館での練習のみ。約10時間のバス移動もあって体力的な不安を抱えるフィールドプレーヤーと同じように、GKも複雑な心境だった。J1仙台から期限付きで加入し、プロ4年目で公式戦初先発のGK石川は「床の上では飛べないし、フットサルゴールでしか練習できなかったので1つ1つ大事にいった」と冷静に好セーブを連発。防戦一方になった後半30分にFKから失点したが、セットプレー練習を全くできなかったことが響いた。
ホームの相手より大きな声援を送った約100人のサポーターに勝利は届けられなかったが、ラスト10分は何度も相手ゴールを脅かした。地元秋田市出身の熊林は「前半の内容を90分続けられるように練習したい。(チームには)伸びしろしかないと思っている」。長い冬が終わりを告げたとき、秋田の快進撃が始まる予感がする。【鹿野雄太】



