川崎Fが、J1昇格を決めた松本からエースFW船山貴之(27)を完全移籍で獲得することが25日、分かった。クラブ関係者が明かした。今日26日にも正式発表される見込み。

 川崎Fは今季、一時2位に浮上するなどシーズン中盤までは好調を維持していた。しかしMF中村の負傷などもあり、終盤は3連敗などで失速。6位でシーズンを終えた。巻き返しを図る来季は、2季連続得点王のFW大久保、日本代表FW小林、FWレナトらに加えてC大阪のFW杉本も獲得が決定的となっており、選手層がさらに厚くなる。

 船山は柏ユースから流通経大に進み、J2栃木に入団した。結果を残せず、11年途中から当時JFLの松本に期限付き移籍し、12年に完全移籍した。13年からは背番号「10」を背負い、エースとして活躍。今季は、開幕戦の3月2日東京V戦(味スタ・3○1)で自身3度目となるハットトリックを達成。全42試合に出場し、J1昇格を決めた11月1日福岡戦(レベスタ・2○1)でも先制点を挙げる活躍。19得点はJ2得点ランク3位で、大躍進の原動力となっていた。

 松本にとっては、エースが引き抜かれる厳しい状況になりそうだ。

 ◆船山貴之(ふなやま・たかゆき)1987年(昭62)5月6日、千葉県生まれ。ユース世代の日本各代表を経験。柏ユース、流通経大を経て、J2栃木入り。期限付き移籍から、12年に松本に完全移籍。3年連続で2ケタ得点を記録。170センチ、69キロ。鹿島などでプレーした兄の祐二は今季からタイ・プレミアリーグのアーミー・ユナイテッドに移籍。