熱狂的マンチェスターCファンにとって、マンチェスターUは口にするのも汚らわしい、史上最悪の存在だ。
だが、あるマンCファンが勇気ある決断を下した。条件をクリアすれば、自分の体にマンUのエンブレムのタトゥーを施すという。
そのファンの名前はマーク・ピンダーさん。実はピンダーさんの12歳の息子カークくんは、筋ジストロフィーにかかっている。
カークくんは現在歩くことも腕を上げることも、もちろん父親と抱きしめ合うこともできない。
近々、背骨に棒状の金属を差し込むことになり、チューブから食物を摂取せざるをえなくなる。呼吸ですら、機械なしではできなくなるという。
息子のために何かできないかと考えたピンダーさんは、募金でお金を集めることを考えた。
ピンダーさんはカークくんの治療代や病気の研究費のため、1万ポンド(約192万円)を集めることに決めた。
ピンダーさんは最近流行しているクラウド・ファンディングで寄付金を募ることにした。そしてお金が目標額の1万ポンドに到達したあかつきには、マンUのエンブレムのタトゥーを入れると宣言したのだ。
ただ、サッカーファン以外の人々には、この「マンUのタトゥーを入れる」という条件がピンとこないのか、寄付金は日本時間25日午後10時の時点で目標額の46%となる約4600ポンド(約88万3000円)にとどまっている。
寄付をしてくれた人も、コメント欄に「幸運を祈る。でもタトゥーはいらないと思う。マンUだって、それではうれしくないだろう」「タトゥーなんて入れなくていい。私はマンUファンだが、誰かが困っている時にはサッカーファミリーとして1つになるべき」などと温かい言葉を書き込み、タトゥーは必要ないという見解を示している。
いずれにせよ近い将来、筋ジストロフィーの根本的な治療法が発見され、カークくんをはじめ、多くの人々に再び普通の生活が戻ることを祈らずにはいられない。
英メディアではこのニュースが比較的大きく取り上げられたが、それを見たサッカー選手からも善意の協力があれば、と思う。