ボールのないところでも爆発的なスプリントを繰り返し、球際では激しく肉体をぶつけ合うことが求められるサッカーというスポーツ。それだけに「どのように負傷を防ぐか」というのは、選手にとって重要なテーマである。


 そんな中、2013年初めに負った肉離れ以来、この3年半、負傷が原因で試合を欠場したことは1度もないドイツ代表MFトニ・クロースが、ドイツサッカー連盟公式HP内で、けがの対策について語っている。


「(長年負傷をしていないのは)自分でも素晴らしいことだと思っている。その理由を1つだけ言うのは難しい。強いて挙げるなら、できるだけプロフェッショナルに振舞うこと、そしてプロフェッショナルな生活を送ることだろうか。もちろん僕以上に徹底している選手も多くいる。その点で言えば、僕は『最もプロフェッショナルな選手』ではないかもしれない。しかし、体調を整えるために大事なことをいくつかやっているし、その内容は個人によっても違うからね」


 そのインタビューで、まずクロースが挙げた具体例は「とにかくたくさん寝る」こと。同選手によれば、「体が僕に『睡眠が必要だ』と言ってくるんだ。けがの予防になるし、気分も良くなる。良い感情が生まれれば、それがまたけがの予防につながってくるもの」だという。


そして、もちろん練習後の治療および筋肉のケア、特定の箇所を鍛えるための追加トレーニングも怠らないというクロースだが、負傷のリスクを減らす試みは、試合の中でも行っている。


「リーグ戦で、仮に僕らのチームが3-0で勝っていたとしよう。そのような場合、僕はセンターサークル付近での1対1のシーンに、100%の力では挑まない。僕は自分のことを『リスクとリターンのバランスをきちんと考えられる選手』だと思っている。ただし、決して1対1のシーンで逃げるような選手ではないからね。ぶつかっていく時、行かなくても良い時、その感覚は絶えず向上させてきたし、当たりに行くタイミングで遅れてしまったことも、ほとんどない。さらに言えば、僕はあまり長い時間ボールを足下に置いておくようなことはしない。敵が来たら、すぐ周りに預けるタイプの選手だ」


 卓越したボール技術と戦術眼が注目されやすいクロース。その類稀な能力を毎試合発揮するため、ある意味で最も必要な“負傷回避術”も、やはり一級品だったようだ。