<スコットランドリーグ:セルティック2-1レンジャーズ>◇16日(日本時間17日)◇グラスゴー

 【グラスゴー(英国)=春日洋平通信員】セルティックMF中村俊輔(29)が、スーパーゴールで逆転優勝に望みをつないだ。首位レンジャーズとの直接対決で、前半20分に約30メートルからダービー初となる先制弾。後半23分には「2点目のゴール」をハンドの反則で防がれたが、相手キーマンを一発退場に追い込んだ。FWヘッセリンクのロスタイム弾で2-1と勝利し、2試合少ない宿敵とは勝ち点1差。大黒柱の輝きでチームも息を吹き返した。中村はマンオブザマッチにも輝いた。

 中村の左足が、これまでのフラストレーションを砕いた。約30メートルの距離を物ともせず、狙った。大きく左へ曲がったシュートはGKをかわし、ゴールに突き刺さった。喜びを爆発させるサポーターの注目を背に、仲間から手荒い祝福を浴びた。自身11度目の「オールドファーム・ダービー」での初得点は、05年コンフェデ杯ブラジル戦を思い起こさせるスーパー弾だった。

 中村

 蹴る前からアウトに引っかけようと思っていた。いつか(ブラジル戦)ロングシュートを決めたけど、ああやってアウトにかければキーパーは捕りづらいはずだから。シュートへ行く前のトラップがよかったし、流れの中でできた。

 2点目は幻となった。右サイドから持ち込みシュート。GKの頭上を抜いたが、カバーに入ったDFクエジャールが手ではじき出した。得点は認められなかったが、引き換えに相手の主力DFは退場処分。これで完全に流れはセルティックに傾いた。「考えなくても体が動く」。今までのスランプがうそのような、吹っ切れた姿がそこにあった。

 逆転優勝へ勝ち点3しかなかった。サポーターは「中村が誇りを守ってくれた」と叫んだ。試合終了後には乱闘騒ぎが起こるなど、状況はさらにヒートアップ。地元紙は「これまでも特別な瞬間を演出してきたが、オールドファームで30ヤード(約27メートル)の絶叫ゴールをたたき込むのは別格だ」と報じ、「歴史的ゴール」と強調した。

 残り5戦。レンジャーズ優位は変わりないが、中村は「相手は関係ない。自分たちのサッカーをしてすべて勝つだけ」。勇者が立ち上がり、再びセルティックがよみがえった。